この本では複数の本を比較しながら読む「シントピカル読書」に加え特別講師といっしょに読むという試みをします。講師は、アメリカでリーダーシップ学を専門とした修士号を取得し、現在アメリカ・ケンタッキー州で経営アナリストとして活躍中の猪俣氏。現地の最新の情報を織り込みながら進めていきます。
特別講師プロフィール
猪俣潤(いのまた じゅん) 1972年横浜生まれ。明治学院大学経済学部卒業。 大手進学予備校講師、高校教師を務めた後、渡米。 ウエスタンケンタッキー大学にて修士号取得。 専攻はリーダーシップ論。 現在は、米国現地法人自動車関連メーカーにて、 マネージメントアナリストとして活躍中。
2008/10/1(水)はじめまして!(1)
こんにちは。 アメリカで、マネージメントアナリストをしている猪俣です。 まずは自己紹介から。
アメリカウエスタンケンタッキー大学にて修士号を取得。専攻は、最初MBA(経営学修士)だったのですが、 後にリーダーシップ論に変更。現地での名称は、 Master of Administrative Dynamics (MAD)といいます。ここでは、ビジネスのみならず、 心理学やコミュニケーションも学びました。
なぜあえてMBAからMADに専攻を変えたのか。今から20年ほど前から 日本でもMBAがもてはやされていますよね。ただ、アメリカではMBAというものに、 大きな疑いの目が掛けられているのも事実なんです。それは、ワールドコムやエンロンの粉飾決済事件に ことの発端があります。会社の当事者たちは、 ほとんどが有名大学院MBAホルダーだったのです。
そこで有名校のMBA教授は、 本当にMBA教育がこのままでいいのか真剣に考えました。多くの大学でプログラムの見直し、 教授採用の再考などが行われました。僕がアメリカの大学に行ったころは、 まさにそんな時期だったのです。
(つづく)
2008/10/2(木) はじめまして!(2)
そんなとき、僕はすばらしいプログラムを発見しました。MADは、米国ウエスタンケンタッキー大学にしかないプログラムで、 MBA(経済学、経営学、会計学、情報処理、品質管理等)のほかに、 コミュニケーション、心理学、そして、文化比較論なども 同時に学べる画期的なものでした。つまり、リーダーにとって 必要なすべてを網羅したプログラムといえます。毎学期、100枚を超えるレポート、 そして嵐のようなプレゼンテーション、 テストをクリアーし、 晴れて卒業することができました。
僕はここで世界中の成功者、 たとえばジャック・ウエルチ、JFケネディ、 MLKジュニア、アブラハム・リンカーン、ビル・ゲイツ、 マイケル・デル、スティーブン・ジョブス、盛田昭夫まで、 世界のあらゆるリーダーを研究してきました。実は、この研究をする前から、 僕は成功にすごく興味があり、 いわゆる成功本自己啓発本は本当によく読んできました。いわば、「成功おたく」 だったのかもしれません。
和書、洋書合わせて100冊は本を読んできたと思います。 そして、ひとつの答えを発見したのです。それは、成功は生まれもっての先天的なものではないということ。つまり、生れ持って、何一つ人より優れたものがなかったとしても、 努力と工夫、そしてほんの少しの運で何とでもなるということです。仮に、あなたは成功する方法を知らないとします。
でも、そこから世界中のリーダー、いわゆる成功者の思考法を学び、 意思決定を行い、そして行動していったならどうなるでしょうか。あなたが成功しない理由があるでしょうか。僕はないと信じています。
最後に、人には皆、知的好奇心というものがあり、 これを満たすことは何事にも変えがたい喜びの一つであると信じています。そして、リーダー、すなわち成功者は、 学ぶことを生きがいに感じ、 常に自分の成長を楽しんでいます。そして、最も大切なことは、その成長を通じて、 社会に貢献しょうと考えています。
もし、困っている人がいるなら、 なぜ助けようとしないのか。僕は、あなたに成功していただきたい。 そして、その財力と時間を惜しみなく使って、 困っている人を一人でも多く助けてあげてほしい。僕は、リーダーシップの大学院で その方法を徹底的に研究し、調べ上げました。だから、それを人に広め、みんなに豊かになってもらうことが 僕の責務であると考えています。
ぜひ、ソフィー・ジ・アカデミーのプログラムを楽しんでいただきたい。 そして、今よりもっと精神的にも、物質的にも、豊かになってほしい。余裕とゆとりを持って、 他の人の力になってあげてほしいと思います。・・・と、長い自己紹介になってしまいましたが、 明日から本題に入っていきます。よろしくおねがいします!
2008/10/3(金) 世界を変えるかもしれない、、、、
“The Starfish and the Spider” この本は、ひょっとしたら今ある世界を変えるかもしれない、 と思っています。例えば、今あなたが眺めているスクリーン。 そのパソコンはソニー製ですか? テレビは、東芝製ですか? 携帯は、サムスン製かな? そう。すべて、私たちの身の周りのものは、 どこかの会社が作っている。つまり、会社という人の集まり=組織です。
当たり前ですが、一人では何も作れません。せいぜい、一人でつくれるものと言ったら、 明日のランチのホットドックくらいです。ははは。例えば、普通3人+3人=6人分の結果になるかもしれないが、 組織を工夫する。改善し、そして改革する。それによって 3人X 3人=9人分の結果になる。いや、或いは30人分、 ひよっとしたら100人分の結果になることも あるでしょう。
だから、組織をとことん見つめ直すことって、 すごく大切なんです。僕は、組織=ビジネス といっても過言ではないと考えています。つまり、 どういう組織にしていくのか を考えることこそ、経営です。
この本は、今までのビジネス組織論の本とは、 明らかに一線を画しています。では、どこが違うのか? それはこれから、お話していきます。
2008/10/4(土) CEOは、誰?
いったいどんな組織が、世界を変えるのか? もう、そんなすごい組織が、僕らの周りに存在しているの? いや、或いは既に世界を変えているのかもしれません。もし、仮に組織のTopである社長や、 校長、或いは院長が存在しないとしたら その組織は、本当にきちんと集団として、 特定の目標や目的に向かって 機能を果たすことができるのでしょうか?
“Whether we’re looking at a Fortune 500 company, an army, or a community, our natural reaction is to ask, “Who’s in charge?”This book is about what happens when there’s no one in charge. … there’s no hierarchy … disorder … even chaos.”(P.5)
この本のすごいところは、 今までの組織論を抜本的に否定しているところ。アメリカの有名経済誌、 Fortuneに掲載されるTop500の企業を見ると、 まず我々は普通に「誰が、社長?CEO?」 って、そこに目がいくことでしょう。
しかし、この本では 組織には最高責任者はいらない ってはっきり言っている。それどころか、 今日の社会に存在するほとんどの組織がそうであろう、 ピラミッド型組織(hierarchy)をも否定し、 無秩序(disorder)と混乱(chaos)型の組織を提案している。本当に、そんな組織がありうるのでしょうか?
2008/10/5(日) アメリカの不安
最近、 アメリカに住んでいて、 この先本当に僕らの生活って大丈夫?って 不安に思います。僕のようにあまり新聞やテレビを真剣に見ない人でも そう思うのだから、 たぶん、平均的なアメリカ人は、 僕よりもっと不安を感じていると思います。なぜなら、(特に経済的に)暗い話ばかりだから。大手証券会社リーマンブラザーズの破綻、 ガソリンを中心とした物価の異常高騰 (ガソリンは、3年で3倍程―ありえない!!) 失業率、、、、アメリカが、何かおかしい。
歴史を辿ってみると、 過去にもおかしいときがありました。それは、1960年から始まった ベトナム戦争が元凶だった。America as No.1のプライドが、 あの戦争によって、完全に崩れ落ちました。
そして、今、その元凶は アルカイダによる9.11 N.Y.テロでしょう。これによって、アフガニスタン攻撃、 イラク攻撃、、、どんどん泥沼化していきました。いまだ、イラク和平への見通しは たっていないのです。
当然、肯定したくはないけど、 なぜ、アルカイダは強いのでしょうか? それは、リーダーである オサマ・ビンラディンを中心とした 組織力にあります。
“al Qaeda became powerful because bin Laden never took a traditional leadership role.”(P.6)
彼は、確かにリーダーでしょう。ただ、 我々がわかることはそれくらいであり、 実はいったい本部はどこにあるのか? 組織には、何人の人がいるのか? 資金は、いくらあるのか? 実は、全く分からないのです。だから、アメリカも叩きようがない。見えない敵に、攻撃しているようなものですよね。叩いたと思ったら、 また世界の別のどこかで、 アルカイダのテロが繰り返されている。
再度、決してアルカイダを肯定するわけではないですが、 彼らの強さを探ることことで、 新しい強い組織を学ぶヒントになることは間違いないようです。
2008/10/7(火) ボストンレッドソックスの強さの秘密(1)
いよいよ、アメリカ大リーグは大詰めのプレイオフ (アメリカではオクトーバーーシリーズと言われています) が始まりました。今月末にはワールドシリーズチャンピオン(世界一) のチームが決まります。そこで、今週はボストンレッドソックス特別号です。
僕のオフは、大リーグ観戦が多く、 年に何回かは球場に足を運びます。今年は、5月にシカゴカブス戦、 8月にニューヨークメッツ戦とボストンレッドソック戦を観てきました。そこで、気が付いたことはボストンレッドソックスの 異常なほどの人気です。
ボストンに行ったことがある方は感じたと思いますが、 町の多くの人はBostonのTシャツ、キャップ、 そしてパーカーを着ている。ファン同士が、町のレストランやバーなどあちこちに集まり、 レッドソックスについて熱く語っています。彼らは、Red Sox Nations、 レッドソックス国民?と呼ばれています。何なんだ、この雰囲気は?
この町にくると、 まるでレッドソックスファン以外は、 仲間外れにされているみたいに感じることでしょう。大リーグ球団が本拠地を置く、 ロスや、ニューヨークとは明らかに雰囲気が違いますね。もちろん、歴史を見ても伝統のあるチームですので、 人気があるのかもしれませんが、 僕はやはり、その強さに秘密が隠されていると思います。
では、どこが他のチームと違うのでしょうか?
2008/10/14(火) ボストンレッドソックスの強さの秘密(2)
「TheStarfishAnd The Spider」を読み進めていくと、 レッドソックの強さの秘密が分かるかもしれません。
“This brings us to the second type of hybrid or organization: a centralized company that decentralizes internal parts of the business” (P.175)
この本で、ハイブリッド型組織が紹介されています。僕は、まさにレッドソックスこそ、 このハイブリッド型組織の典型では?と思うのです。ハイブリッドの意味は、 合成とか掛け合わせです。つまり、ハイブリッド型組織とは、 基本的に中央集権型の組織構造を取りながらも、 ビジネスの一部に分権を取り入れている組織のことを言います。
オーナーのジョン・ヘンリーは、 ゼネラルマネージャー(GM)のセオ・エプスタインに 選手獲得から現場の管理まで多くの権限を与えているそうです。GMは、現場の事はテリー・フランコナ監督に任せ切っている。一見、分権型組織に見えます。ただ、この3者間を共通の言語が結んでいます。それが、情報です。
この情報は、中央集権型組織、 ピラミッドの頂点である、オーナーのジョン・ヘンリーからGM、 そして監督、選手へと浸透させていきます。そして、この情報の流れは絶対なのです。オーナーのジョン・ヘンリーは、 先物取引大手へッジファンド会社の経営者で、 いわば情報分析のプロです。だから、レッドソックのみで通用する 共通言語を作りました。
例えば普通、投手の評価は防御率 (1試合当たりで、自分の責任で失った点数) でしょう。しかし驚いたことに、 ボストンではこれだけでは通用しません。ジョン・ヘンリーは独自の数式を作りました。そして、他球団からはノーマークだった 岡島選手を日本から獲得ました。年俸が安く無名でも、 ポテンシャル能力の高い選手を発掘し、 獲得する。そして余分に余った資金をつぎ込んで、 超大物(松坂選手など)を獲得するのです。
レッドソックスの強さの秘密は、 ハイブリッド型組織にあったと言えます。中央集権型の組織構造を取りつつも、 分権をうまく取り入れて、 チームを活性化させているのです。その選手の溌剌としたプレーに、 Red Sox Nationと言われるファンは魅了されています。
Let’s go Sox for the October!
2008/10/15(水) アパッチ族とスペイン軍の戦い(1)
僕が、アメリカで暮らしていて最近思うこと。それは、ヒスパニック系の人が 増えているということです。アメリカの人種構成は、 ヨーロッパ系アメリカ人が約75%。次いで、2番目に来るのが スペイン語圏出身のヒスパニックと呼ばれる人達で、 約15%です。実は、 アフリカ系アメリカ人(約12%)よりも多いのです。
先日、携帯電話会社のAT&Tに電話をしたら、 まずスペイン語か英語かどちらのガイダンスを希望しますか? と聞かれました。大手スーパー、ウォールマートには、 無人レジがありますが、 「そこでも英語かスペイン語を選択してください」 と案内があります。残念ならが、日本語案内ありません。 できるという、噂すらありません。とほほです。
つまり、アメリカで生活していて、 仮に英語が喋らなくても全く困らないのです。 スペイン語さえ喋れることが出来れば。ご存知の方もいらっしゃると思いますが、 現在のロサンゼルス市の市長は、 メキシコ出身2世ですよね。なぜ、スペイン語がそこまで全米で、 通用されるようになったのか?ここで、南米の言語を考えてみましょう。
ブラジルは、ポルトガル語圏です。 フランス領ガイアナは、フランス語圏。 スリナムは、植民地の歴史からドイツ語が使われています。この3地域(国)を除き、 すべてがスペイン語を話す国なのです。
つまり、もう想像がつくと思いますが 過去、アメリカ大陸においてスペインという国は それだけ、文化的にも政治的にも、 強い影響力を持っていました。15世紀当時、南米において 絶大な権力を持っていたインカ帝国。最盛期には、80の民族と1,600万人の人口を抱えていました。しかし、1533年にフランシスコ・ピサロ率いる 少数のスペイン軍によって、 帝国はもろくも滅亡されてしまいました。
スペイン軍は、更に北上し、 メキシコから北アメリカへと侵攻していきました。そこで、彼らはアパッチ族と直面したのです。
2008/10/16(木) アパッチ族とスペイン軍の戦い(2)
みなさんは、アパッチ族って聞いたことがありますか? 彼らは、ネイティブ・アメリカン部族です。歴史上、人々を驚かせた戦争がありました。インカ帝国をも制し、 ほとんどの南米の国を制したスペイン軍が 更に、メキシコから北上しました。しかし、北アメリカまで制圧することが出来なかった。なぜか?
“Why? Because the Spanish lost.”(P.17)
アメリカインディアン、つまりアパッチ族に インカ帝国までも制したスペイン軍が敗れからです。
“Unlike the Aztecs and the Incas, the Apaches hadn’t put up a single pyramid, paved a single highway, or even built a town to speak of. “(P.17)
アパッチは、一見するとても原始的な部族でした。彼らには、インカ帝国にはもちろんあった ピラミッドを建設したこともなければ、 大きな(立派な)道もなかった。なぜ、そのような一見弱そうな?部族に、 スペイン軍は敗れたのでしょうか?
2008/10/17(金) アパッチ族とスペイン軍の戦い(3)
“It wasn’the Apaches had some secret weapon that was unknown to the Incas and the Aztecs. ……Nor, the Apache defeat of the Spanish was all about the way the Apaches were organized as a society.”(P.18)
アパッチ族が、 インカやアステカになかった 秘密の武器を持っていたわけではありません。彼らの社会(組織)構造に 秘密が隠されていました。
“Whereas the Apaches were fighting this battle for hundreds of years. How did they survive? They distributed political power and had very little centralization. The Apaches preserved because they were decentralized.”(P.19)
スペイン軍も、 インカ帝国も責任の所在がはっきりしていた。 Head Quarter-本部の所在もはっきりしていた。 そして、権力を元に命令を下すリーダーがいた。しかし、スペイン軍とインカ帝国とは対照的に、 アパッチにはそれらがはっきりしていなかった。何百年も彼らは征服されることなく戦い続けてきました。政治権力を分散させて、中央集権化を極力避けた。つまり、分権型組織にすることこそ、 彼らの強さの秘密だったのです。
では、いったい分権型組織を どう統治していったのか? それは、次回お話します。
2008/10/24(金) 本に出てくる組織(1)
この本の中には、 アメリカのいろいろな組織の例が出てきますが、 いくつかここで確認してみましょう。今日はこの2つ。
- MGM
- ディズニー、ワーナーブラザーズなどと並ぶ規模の 巨大映像会社。ライオンが、ガオーッと吠えるオープニングを 見たことがある人もいるでしょう。ジェームス・ボンドの「007」なんかも この会社の映画です。
- Apache
- アパッチ族は アメリカとメキシコの国境地帯などにいた ネイティブアメリカンの部族。
アパッチ族には、 ナンタンと呼ばれる指導者がいました。ナンタンは「行動の規範」を示す「精神的な」指導者で、 人に命令したり、従わせたり、 権力を持った人ではありませんでした。頼れる兄貴、といったところでしょうか。アパッチ族は、戦闘能力の非常に高い部族で、 好戦的、ネイティブアメリカンの最強民族などと呼ばれ 恐れられていたようです。
(次回に続きます)
2008/10/25(土) 本に出てくる組織(2)
きのうに引き続き、 本に出てくる組織。次は、インターネット関連の組織です。
- Napster
- 大学生が仲間の間で音楽を共有する目的で作られた ソフトがはじまり。このソフトを使って インターネット上で音楽ファイルを 利用者同士が共有。その共有された音楽ファイルを 利用者がダウンロードする という仕組みでした。
個人から集められた、たくさんの音楽ファイルが サーバーに置かれ、 そこから自分の聞きたい音楽のファイルを探して 自分のパソコンに持ってくる、 というこのサービス。利用者が爆発的に増えたことは 言うまでもありません。
著作権の問題からNapster社は提訴され、敗訴。 営業停止になりますが、 アメリカのソフトウエア会社が資産を買収し、 音楽配信サービスの会社としてスタートしました。日本でも2005年に「ナップスタージャパン」が設立され、 月額定額制で聞音楽が聞き放題というサービスを 国内で初めて行いました。NTTドコモの音楽ダウンロードサービスも Napsterを利用したサービスだそうです。
(つづきます)
2008/10/27(月) 本に出てくる組織(3)
次はチャプター3に出てくる Starfish型組織の例から。
- Craigslist
- アメリカの新聞の三行広告には 不動産情報、求人情報、コンサートやスポーツのチケット情報、 ルームメイトの募集、売ります、買いますのお知らせなど ありとあらゆる分野の情報が載せられています。
Craigslistは この三行広告のインターネット版です。創設者のCraig氏のインタビューを見つけました。 http://wiredvision.jp/news/200707/2007071221.html このインタビューを見ると、 ヒトデ型組織のリーダーの特徴、雰囲気みたいなものが 感じられると思います。本文p.64からの紹介と合わせて見てみてください。
(またまた続きます)
2008/10/28(火) 本に出てくる組織(4)
今度は、 p.69から紹介されているApache(アパッチ)。 10/24で取り上げたア パッチ族ではなく、 こちらはインターネットの世界の話です。
- Apache
- アパッチは世界中で最も多くのサイトで使われている Webサーバソフトウェア。
このソフトは無料でダウンロードでき、 また、現在も世界中のプログラマーがボランティアで 開発を続けているそうです。これには、 マサチューセッツ工科大学やYahooのプログラマーも参加している ということですから驚きです。
このアパッチというプロジェクトはもともと、 かつて標準的に使われていた NCSA(イリノイ大学の米国立スーパーコンピュータ応用研究所) のソフトの開発が終了、 そのサポートと改良を行うプロジェクトでした。
p.70の下から10行目あたりから 創始者のBehlendorf氏が プロジェクトを始める様子が書かれています。特別な戦略もなく始めたプロジェクトが あっという間に世界中に広がっていく様子が とてもおもしろいです。ぜひ読んでみてください。
(本に出てくる組織・次でおわり)
2008/10/29(水) 本に出てくる組織(5)
最後はとても変わったイベント、 Burning Manについてです。Burning Man: バーニング・マンとは、 アメリカ、ネバダ州にあるブラックロック砂漠で 年に一度、8月の終わりに1週間に渡って開催される 大規模なイベントの名称です。東京23区よりも広いブラックロック砂漠に 世界中からたくさんの人がやってきて、 この地は、架空の都市「ブラックロック シティ」となります。
砂漠の過酷な自然環境の中、 参加者は、テントやキャンピングカーで生活。会場では、 芸術作品の展示、ワークショップやパーティーの開催、 演劇や音楽のパフォーマンスなど 様々な活動が行われます。
このイベントの特徴は第一に、 基本的になんでも自由、ということ。だから、 突拍子もない格好をしたり(裸の人もいる) あやしげ、いかがわしげな人もいるし、 ハイになって踊りくるっている人もいる。この部分だけを見ると、このイベントは 奇妙なお祭り騒ぎだ、といった印象を持ちますが、 その一方で、 医療活動や警備、新聞の発行やFM放送局の開設などの活動も ボランティアによって行われているということです。
もうひとつ、このイベントの特徴が 「gift economy」という文化。これは、見返りを求めず、 何かをコミュニティにプレゼントし合うという このお祭り特有の経済活動です。私たちが普段行っている経済活動とは全く違います。自分が提供したいから提供する、 Give and Giveの精神です。
バーニング・マンの説明は本書p.77から出てきます。p.78の下から5行目から この「自由な組織」の特徴が書かれていますので その辺りを特に読んでみてほしいと思います。
(本に出てくる組織・完)
2008/11/19(火)「規則」よりも強力なもの(1)
従来の組織には大抵、 「rule(規則)」があります。校則、就業規則、法律などの決まりは 厳しく罰するなど、 大きな力を持つこともあります。しかし、ヒトデ型組織は 人を従わせる組織ではありません。ですから、人を従わせる「規則」は 適した行動基準ではありません。
それでは、ヒトデ型組織の人々は 何を基準に行動するのでしょうか?
Instead of rules, they depend on norms. (p.90の14行目)
ヒトデ型組織には規則の代わりに、 「norm(規範)」を 行動の基準としているのです。多くの人は強制力のある「規則」のほうが 強制力のない「規範」より強力に 感じるのではないでしょうか。しかし、ここでは 「規則」よりも「規範」はパワフルだ といっています。
・・・norms can be even more powerful than rules. (p.90の14行目)
なぜでしょうか?
2008/11/20(水)「規則」よりも強力なもの(2)
ヒトデ型の組織には「rule(規則)」がなく、 代わりに「norm(規範)」がある。そして「規則」よりも「規範」の方が パワフルだということでした。では、その理由とは 一体何なのでしょうか?
Rules are someone else’s idea of what you shold do. <中略> ・・・norms, it’s about what you as a member have signed up for, and what you’ve created. (p.90の下から7行目)
「規則」は他の人が作ったものである。 しかし、「規範」は自分たちが作ったもの。 だからパワフルだ。そう著者たちは言っているのです。ちょっと考えてみてください。仕事や勉強をするとき、 外から強制されるのと 自分からすすんでやるのとでは どちらがやる気が出ますか? やる気があるときとないときでは その効率、生産性はどちらが高いでしょうか?
この答えが「規則」よりも「規範」がパワフルである 理由なんだと思います。もしあなたが組織を変えたい、と思ったら、 あなたの属している会社や学校、サークル、クラブ、チームなどで 仲間と一緒に今までの「規則」を見直し、 「規範」を作ってみるというのもひとつの方法かもしれません。
2008/11/26(水) ヒトデ型組織の”リーダー”とは?
あなたは”リーダー”と聞いて どんな人を想像しますか? 堂々とビジョンを語り、斬新なアイディアで人々を圧倒する人。 たくさんの人を動かし、次々と事業を成功させていく人。 ちょっとふつうの人とは違う、カリスマ性を持った人。そんな人物像が頭に浮かぶかもしれません。実はこういうリーダーは 「クモ型組織」の典型的なタイプです。クモ型組織のリーダーは 権力を持ち、命令や管理によって組織の人を統率し、 指示を与えていくというリーダシップのとり方をします。
ところが、ヒトデ型の組織のリーダーは 私たちの多くが持っているリーダーのイメージとは 大きく異なったタイプの人です。恥ずかしがり屋で、人前にあまり出たがらない人。 控えめで目立たない人。こうした、一見するとリーダーかどうかわかりにくい人が ヒトデ型組織のリーダーの典型なのです。また、この本の著者は、 ヒトデ型組織のリーダーのことを 化学変化の例にならって 「Catalyst(触媒)」と呼び表しています。 (91ページの LEG2:The Catalystの項参照)
Catalyst(触媒)とは、 「変化を起こす手伝いをする人」 と言えるでしょう。こういうタイプのリーダーシップは 日本人に向いているような気がします。「こんなリーダーだったら 自分にもなれるかも。」そんな風に感じる人も 少なくないんじゃないでしょうか。
2008/11/27(木) もしかしたら・・・
ヒトデ型組織のCatalystは それまでのクモ型組織のリーダーのイメージとは だいぶ違いましたね。クモ型組織のリーダーに比べたら 身近な存在に感じたのではないでしょうか。そして、 自分が表舞台に立って活躍するのではなく、 他の人の手伝いをする人、手助けをする人、 そういう人だったら 自分もなりたい、あるいはなれるかも、 と感じませんでしたか? 僕はそう感じました。
もしかしたら、自分も Catalystのような人になれるんじゃないか。 Catalystの在り方を目指したい。じゃあ、Catalystになるには 一体どうしたらいいのだろう? という疑問がわいてきました。そして、この疑問を持って 本を読んでいきました。すると・・・
2008/11/30(日) Catalystへの第一歩
「Catalystになるにはどうしたらいいのだろう?」ヒトデ型組織のリーダーであるCatalystという存在を知り、 自分もそういう人になりたいと思った僕は、 この疑問を持って本を読んでいきました。すると、 Catalystへの第一歩が踏み出せる ヒントが見つかったのです。そのヒントは Catalystの特徴について Aurenという人が語ったコメントの中にありました。
“It does take a certain personality,” <中略> …How can I help this person?… I just want to make this person better… (118ページの2行目〜)
彼は、Catalystは、 「どうやったら目の前の人を助けられるのか、 目の前の人がもっとよくなるにはどうしたらいいのか」 ということを考えている人なんだ、と言っています。「私は指導者だ、代表者だ」 というのは違う、という人も 「私は目の前の人を助ける人だ」 というアイデンティティには ひかれるのではないでしょうか。もしそうだとしたら、 人に会ったとき、話しているとき、 頭の中でこのクエスチョンをしてみてください。”How can I help this person?”
‘this person’は あなたの目の前にいる 同僚、上司、お客さん、家族、友人などです。この1つのCatalyst的クエスチョンから どんなことが起こるでしょうか。僕もやってみたいと思います。
“How can I help this person?”
2008/12/2(火) あるビジネスパーティーで
先日、パーティーがありました。このパーティーは ある大手企業が主催したもので、 その取引先同士が、知り合いになることで それぞれのビジネスを拡大するという目的のものでした。僕の仕事は、バイヤーです。だから、周りの人たちは、 僕に一生懸命売り込みにくる。ちやほやされたり、 持ち上げられることもあります。
僕は、意味ある会社と知り合いたいし、 意味ある情報のみを取りたい。だから、自分の仕事に利益にならない相手、 話をしていてつまらない相手とは、 早く話を切り上げたいと考えていました。「The Starfish and the Spider」を読むまでは。でも、この本のある箇所を読んだ僕は 今までと違う考え方を持つようになったのです。
2008/12/3(水) ビジネスの名の下に・・・
ビジネスパーティーで、 自分の仕事の利益にならない相手とは 早めに話を切り上げたい という僕の考えを変えたところ。それはAurenというCatalystの考え方でした。
…if you find someone boring, it’s only because you, the listener, haven’t asked the right questions or found that person’s true passions. (P121の5行目〜)
これは、Catalystたちに共通する特徴のうちのひとつ、 「Genuine Interest in Others (他人に対する純粋な興味)」 という箇所にあった言葉でした。僕は、この本を読む前でも 人を尊敬するとか、うわべだけで判断しない ということを大切にしてきたつもりでした。でも、このAurenの言葉を読んだとき、 自分が人を「自分の利益になるかならないか」 で判断していたことに気がつき、 大きなショックを受けました。
そうか、ビジネスだから、と言って 自分は人を人として見ていなかったんだ。ビジネスの世界では 利益を最優先させることが大事だ。 そのことを第一に考えて仕事をしなくてはならない。そうした思い込みの中に 本当に自分が大切にしたいことが 埋もれてしまっていたのです。そのことに気がついた僕は ビジネスパーティーで 自分の中に、ある変化を起こしました。
2008/12/9(火)「自分向き」のモードになったら
ビジネスパーティーでは初めて出会う人も多く、 自己紹介をして仕事の話になります。自分の仕事に利益があるかどうか、 を最優先事項としてパーティーに参加していた僕は 相手がどんな仕事をしているのかを聞いた後、 話が終わってしまうことがほとんどでした。興味の方向が 「自分向き」になっていたのですね。
しかし、Catalystのツールのひとつ、 「Genuine Interest in Others (他人に対する純粋な興味)」 から気付きを得た僕は 先日のパーティーでそれまでと違うアプローチをしました。それはいつものように 自己紹介を一通りして、 仕事の話に入っていった時のことでした。
「会社はどちらにあるんですか?」
「カリフォルニアです。」
僕の会社はケンタッキーですから、 カリフォルニアの会社と取引するのは 輸送費のコストなど考えると 割に会いません。
(ちょっと接点はなさそうだな。)
今までだったら 僕は当たり障りのない話をして会話を終わらせるか、 別のことを考え始めるか、 のどちらかでした。しかしこのときは、Catalystのツール、 「相手に対する興味」を思い出しました。そうだ、興味を「相手向き」にしよう。すると、 (この人との接点は本当にないんだろうか?) という質問が起こってきました。この問いを持って 相手との共通点を探すように話を進めると、、、
なんと! 彼の会社の支社は、僕の会社から車で5分くらいのところにある ということがわかりました。結局そこから話が広がり、 ビジネスパートナーとして お付き合いが始まっていくことになったのです。
この僕のちょっとした成功から言えること。それは、 相手に興味を持つと 相手も喜んで話をしてくれるし、 自分も話していて楽しい。そして、 「相手向き」のモードになると いい質問が出てくるので、 おざなりな会話ではなく、 有意義な会話ができるということです。すると、 お互いにとって有益なことが 起こりやすくなるような気がします。
会話をしていて、 「自分向き」のモードになっているな、 と思う時には、 「相手に興味をもつ」というCatalystのツールを ぜひ思い出してみてください。
2008/12/12(金) リーダーのタイプ(1)
これまでクモ型、ヒトデ型組織の リーダーの特徴を見てきました。僕は仕事柄、CEOや社長といった リーダーと会う機会がたくさんあります。そこで、僕が今まで出会ったリーダーを この本の中で出てきたリーダーの特徴と照らし合わせてみました。この人はクモ型っぽいな、とか この人はヒトデ型だな、とか。
そして、ほとんどの場合、 リーダーの在り方が組織の在り方に 影響しているということに気がつきました。そんな中で特に顕著だった 2人のリーダーをご紹介したいと思います。
まずは一人目。彼は、あるベンダーの取締役です。彼は新型から5年程経った、それでもよく走るホンダのアコードで 僕の会社に訪れました。スーツも時計も決して高級ブランドではないけれど いかにも丈夫そうで、とてもセンスのいい身なりをしていました。他人に対する見栄はなく、彼の誠実さが反映されているな という印象を受けました。
(つづく)
2008/12/15(月) リーダーのタイプ(2)
さて、会議の席のことです。 彼は、セールス担当の部下を一人連れて来ました。しかし、とても控えめな態度だったので 始めはどちらがボスなのか分からなかったほどでした。彼はいつもニコニコしていて、丁寧に話をします。 決して命令口調で話したりすることはありません。
ずっと一人で話をするということもなく 常に周りに目を配り、 日本人の僕にも 「言っていることが分かるかい?」 と、何度も聞き返してくれます。たいして上手くもない僕の英語を 一生懸命聴いてくれたり、 日本人の僕が分かりやすい表現を 使ってくれたりします。
彼のその優しい気配りによって、 僕ら3人の会議は どこかにピクニックに来たような雰囲気で、 終始和やかに進みました。これだと、やはり部下も伸びのびと仕事が出来るのでしょう。 部下が話をする時も、生き生きとしていました。
こうした彼や彼の部下の態度から、 早い段階で彼の会社を信頼することができましたし、 仮に他社が良い条件で売り込みに来ても、 やはり彼の会社との関係をより大切にしたいと自然に思うでしょう。
(次回はもうひとつ別のタイプのリーダーです)
2008/12/16(火) リーダーのタイプ(3)
次は、別のリーダーのお話。彼の組織は、 いわゆる世間では名の知れた 大企業(運送会社)です。
ある時、担当者から 「めったにこの地区には来ないCEOが本社から来るのだが、 挨拶にうかがわせてもらえないか」 との連絡を受けました。僕も、有名企業の経営に携わっている人に会えるということで 楽しみにしていました。彼は、大きなキャデラックに乗ってきました。 さすがは、大企業の幹部は違うなーと思いました。ブランドのスーツに身を包み、 金の指輪に、スイス製の高級腕時計。 そこまでは、よかったのですが、、、
(つづく)
2008/12/17(水) リーダーのタイプ(4)
会議室に入り、彼は椅子に腰掛けました。椅子に、めいっぱい深く腰を掛け、 右足の靴底が見えるくらい高く足を上げながら組みました。彼は一人で喋り続け、 担当のセールスマンと僕は、相槌を打つだけで、 その会議は終わりました。その後、担当者から僕のところに連絡はなく、 また、こちらから連絡を取ろうとも思いませんでした。
この僕が出会った2人のリーダーを想像してみてください。あなただったら、 どちらのリーダーとビジネスを大きくしたいと思いますか?
2008/12/23(火) メリークリスマス!
アメリカは、11月末の感謝祭(サンクスギビング)からクリスマスにかけて 一年でも、今が最もロマンティックで、また賑わい活気のある時期です。経済的な混乱や不安が続いていますが、 本当に大切なものを考える機会、 自ら変化を作る機会などととらえることもできるでしょう。この”The Starfish and the Spider”のコーナーが よりよい世界を作るための一歩となればと思っています。
Happy Merry Christmas for Everyone! 素敵なクリスマスをお過ごしください。
2008/12/24(水) トヨタの強さの秘密(1)
今、日本も同じかもしれませんが、 アメリカの自動車産業は不況で 本当に大変なことになっています。何しろ、10人に1人はこの産業に従事していますので、 それこそGMが破綻でもしたら、更に大変なことになります。しかしながら、アメリカのGM、クライスラー、フォードと比べて トヨタやホンダなど日本の会社は比べものになりません。経営における体力が違います。
特に、トヨタの財務目標は無借金経営です。今現在、本当にトヨタに借金があるかないかは定かではありませんが、 トヨタは「日本で最も大きな銀行」と呼ばれることもあります。現金保有額は、推定で最低でも6兆円と言われています。世界の自動車会社の中で、 最も現金を持っている会社でしょう。そんなトヨタの強さの秘密が、 ”The Star Fish& The Spider”に書いてあるのです。
2008/12/25(木) トヨタの強さの秘密(2)
‘Kaizen’や’Just In Time’など、 トヨタ用語は世界のビジネススクールでも ビジネス用語として学ばれています。そんな彼らの強さは、 どこにあるのでしょうか?
例えば、今勤めているあなたの会社の現場の従業員が、 何か改善を提案をしたとします。それを実際に会社が真摯に受け止め、 改善に向けて実行されますか? 提案がいいものであっても、 多くの会社は変化や行動することを嫌がります。少なくても、僕の知る限り 一社員の提案がすぐに実行に移されるような会社は少ないです。
しかし、トヨタではどうでしょうか。トヨタにおいて、 社員の提案が実際に実行に移される可能性は、 何%くらいだと思いますか?
“Each and every suggestion made by a Toyota line worker was implemented.” (P186)
なんと100%!だそうです。提案があったものは、すべて行動に移される。 もちろん、中には行動してみて失敗もあるようですが、 失敗を容認してでも、行動すること。現場の人の意見を取り入れて、 一人一人が自ら考えて 伸び伸びと行動できる組織。これは、まさにヒトデ型組織の特徴ですね。
2008/12/26(金) トヨタの強さの秘密(3)
トヨタの生産台数は、GMを抜き世界一になることは もはや、時間の問題だといわれています。 世界一の理由は、どこにあるのでしょうか? 確かに、現場の提案を100%取り入れ、 行動することは大切ですが、 それだけで、世界一になれるとも思えません。トヨタの特徴をもう少し見てみましょう。
たとえば、トヨタの工場は、 従業員一人一人の動きが厳格に管理されているようです。製造工程における、動きの歩数や、 動きの時間をストップウオッチで秒単位で計測され、 無駄がある場合は改善が求められます。マネージメントによる、科学的な管理が行われています。これは、クモ型組織の典型のようなものです。つまり、彼らが世界一になれる理由は、 ヒトデ型組織の特徴とクモ型組織の特徴をうまく融合させたから。
“It’s neither a pure starfish nor a pure spider, but what we call a hybrid organization. “(P. 164)
こうした組織を本書では、 ハイブリッド組織と呼んでいます。ヒトデ型、クモ型組織のいいところを 自分の組織に合わせて取り入れたことがトヨタをより強い組織にした要因と言えそうですね。
2008/12/29(月) 不景気なんか蹴飛ばせ!
僕らは、この「The Starfish & the Spider」 から多くを学びました。確かに、この本はアパッチ、アルカイダ、スカイプ、ウィキペディアなど ヒトデ型組織の成功事例を多く説明しています。
今日、トヨタ、ソニー、ホンダ、アメックス、Citiバンクなど 世界の有名実力企業でさえ、不景気に苦しんでいます。この大変な時代に、 勝ち抜くヒントが多くこの本にはありました。
みなさんが不景気なんか蹴飛ばせばいいと思え、 少しでも元気がでたら これほど嬉しい事はありません。最後までお付き合い頂きまして、 ありがとうございました。
猪俣潤