とっても面白く学習効果も高い通学コース。そしてその中でもっともエキサイティングなのがソフィー・メソッドの一つ「マスターマインディング」。いわゆる「ディスカッション」とは違い、「文殊の知恵」を紡ぎだす会話の仕方です。その実際の様子を書きおこしてお届けします。
マスターマインディングした本
読前マスターマインディング
自分が「エバンジェリスト」になると
- 哲
- こんにちは。 さて、一週間ごぶさたです。 前回から、今回までの間に何か変化はありましたか?
- 直子
- はーい。 わたし、言いたいことがあるんですよ。
- 哲
- 何?
- 直子
- Evangelistを読んでみて、わたし、自分自身をエバンジェリストだ、 って考えるようにしてみたんですよ。 そうしたら、なんだか楽しくなってきちゃったんです。
- Fさん
- なんでですか?
- 直子
- だって まずは自分の会社の提供しているものを、 自分が一番愛している、っていうことを 改めて認めるっていうことでしょ。それって。
- 哲
- うん。
- 直子
- そしたら、同じ会社で働いている人たちが、 すごい人たちだ、ってもっと思えてきたんですよ。 そしてここに通ってきているみんなもすごい人たちだって。
- 哲
- ほほー。
- 直子
- なんだかみんな、自分がすごい人たちやすごいものに囲まれているんだ、 っていうことに改めて気づいたんです。そうしたら楽しくって♪
- 一同
- なるほどーっ!
- 直子
- わたしマッキントッシュのパソコン使っているでしょ。 で、エバンジェリストの本には 実例としてアップル社のことがよく出てくるから、 実感としてもよくわかるんですよね。 Mさんもマックユーザーだから、 先週はその話でも盛り上がったし。ね?
- Mさん
- そうですよねー。
- 哲
- 先週、なんかその話を聞いて、 なんかマックいいなあ、って思っちゃって、 思わず「マック・ファン」っていう雑誌買っちゃった。 マック持ってないのに。
- 直子
- なんかソフィーのみんなにiPhoneの話も 一生懸命してましたもんね。
- 哲
- そう。ホームページとか調べちゃってさ。
- 直子
- わたしたちのエバンジェリズムが伝染したんですね。
- 哲
- うん。 そうそう、 アップルでは、「エバンジェリスト」っていう役職名が存在するんだって。
- Mさん
- それはIT業界では、 結構ふつうに存在するんですよ。
- 一同
- そうなんですか?
- Mさん
- ええ。もともとはアップルが使い出した最初なんでしょうけど、 マイクロソフトなんかでも、もう何年もその役職があるんです。
- 哲
- じゃあ、言葉としては決して新しいものではないんですね。
- Mさん
- そうですね。 でも、口コミしてくれるお客さんを「エバンジェリスト」として、 体系だててまとめた本はなかったかもしれない。
- 哲
- エバンジェリストの考え方って、 あえて一言で言うと、 正直にいいものをつくり、お客さんのことを信頼する、 ということだと思うんですよ。 ちょうど今、「相手を信用しないよりは、 信用したほうが、最終的には得をする」 というような内容の本を読んでいるんですよね。
- Mさん
- へえ。
- 哲
- なんか世の中が、 実はそういう「いい方向」に向かっているような気もするんです。
- えり
- ちょうど昨日読みはじめた、Zig Ziglarの “The Secrets of Closing the Sale”という本があるんですけど、 その本に書いてあったことを思い出しました。 人が買わない理由のひとつは”No Trusut”だ、って。 Trustがなんか、キーワードな気がします。
読後マスターマインディング
相手に「メタファー」を聞くには?
- 哲
- では、どんな発見がありましたか?
- Fさん
- わたしたちは”Awaken the Giant Within”の” metaphor(比喩)”のところを読んだんです。
- えり
- 面白かったですねー。
- 哲
- どんなところが?
- Fさん
- この前、この洋書塾の中で、 自分の「時間の”metaphor”」を考えたんですよ。 そしてそれをより自分にとってempoweringなものに変える、 ということをしたんですが、 とっても良かったんです。 だから、まわりの人にもこれを聞いてあげよう、 と思ったんですが・・・
- 一同
- ふむふむ。
- Fさん
- でも、こういう場所だと聞きやすいですけど、 普段の会話で、どうやって切り出していいのか、 と悩んでいたんです。
- 直子
- いきなり聞いても不自然ですものね。
- Fさん
- ええ。でも、今日読んでみて、それがわかりました。
- 哲
- どうして?
- Fさん
- ちょうどそういうことが書いてあったんですよ。
- 哲
- 書いてありましたっけ? (Fさんの本を覗く)
- Fさん
- ここに。
- 哲
- ああ、ここのことね。
- Fさん
- ここで、出てきた面白い話なんですけど、 アンソニーのセミナー中に いちいち文句を言ってくる受講者がいたんですよ。 空調が寒いとか、そういうちょっとしたことで。
- 直子
- それで?
- Fさん
- で、「どうしてそんなことばかり言うんだろう?」 と彼は思ってその受講者の女性にいろいろ質問してみたんです。
- 一同
- (興味津々)
- Fさん
- What are you trying to get? (結局何を求めているの?) のような質問をしてみたり、 最後にはその人の人生のmetaphorを聞いてみたり。
- 直子
- そうしたら?
- Fさん
- そうしたら、彼女の人生のmetaphorは「船」だったんです。 「人生は船のようだ」と。 そして「船はちょっとでも穴があると、 そこから少しずつ浸水して、やがて船を沈めてしまう」、 とも思っていた。
- 直子
- ほー。
- Fさん
- だから、彼女は空調の温度が適切でないことは 「船の小さな穴」なので、 ちょっとしたこと、がとても重要なわけです。 そこでアンソニーのセミナーという「船」が その小さな穴で沈んでしまわないように、 一生懸命穴を知らせてあげようとしていた、と。
- えり
- つまり親切でその行為をしてあげていたかもしれない、 ということですよね?
- 一同
- ほほー!
- 哲
- 人生のmetaphorを聞くことで、 彼女が求めていたものが、よくわかったんですね。
- えり
- 人間のすべての行為には positive intent(肯定的な意図)がある、って言っていて、 それがこの彼女の場合は「小言を言う」ことによって 「船の沈没を未然に防ぐ」ことだったんだよね。
- 一同
- おもしろい!
「カスタマー・プラス・デルタ」??
- 哲
- Creating Customer Evangelistのほうは、どうでした?
- Mさん
- この本、理論的にしっかり説明もされているし、事例もたくさんあるし、 とってもバランスがいいんですよね。
- 直子
- 読みやすいですよね。
- Mさん
- そうなんです。 そして今日読んだところは「カスタマー・プラス・デルタ」っていうところ。
- 一同
- 「カスタマー・プラス・デルタ」?
- Mさん
- 要するに「お客さんの声をしっかり聞きましょう」っていうことです。 たとえば不満とかをもらったときに、不満を聞いて終わりではなく、 じゃあ、どういうものを求めているのか、積極的に聞いてみる、とか。
- 哲
- おととい見たアンソニー・ロビンズのDVDの中で、すべてのコミュニケーションには 2つの側面がある、と言っていたのを思い出しました。
- えり
- コメントとリクエストでしょ。
- 哲
- そうそう。DVDの中である女性がだんなに文句を言う場面があるんですが、 「コメント」としてとらえると、文句にしか聞こえない。 ところが「リクエスト」として考えると、その文句をいうことで、 自分にどうしてほしいか、というところに頭が行く。
- えり
- そうすると、「文句から自分を守ろう」という防御の姿勢ではなく、 「何を求めているんだろう」と、 相手に対してオープンな姿勢になってくるんだよね。
- 哲
- うん。 お客さんの不満に関しても、同じだな、と思いました。 単にコメントとして考えたら不満にしか過ぎないけど、 リクエストとして考えたら、 これほど会社にとって有益なものはない、って気が付く。
- Mさん
- なるほど、そうですね。
- 直子
- とにかくこの本は、具体的な事例が多くてわかりやすい。
- Fさん
- それを読んだら、すぐに仕事に生かせそうですか?
- Mさん
- ええ。 たとえばお客さんにどんな質問をすべきか、 など具体的なことまで落とし込まれているんで、 きっとヒントが見つかると思います。
- 直子
- なんだかわたしたちこの本のエバンジェリストになってますね。
- 一同
- 爆笑