ソフィー・ジ・アカデミー恵比寿校講師の渡辺絵梨と一緒に経済学の基礎的な知識を数式やグラフを一切使わずに極めてわかりやすくまとめあげた名著”Naked Economics”を読んでいくブログです。この本を読めばあなたはもう経済の細かい動きや政府の表面的な経済政策に右往左往しなくて済むようになるはずです。
“Naked Economics”について
私たちは絶え間なく経済に関わっています。毎日の仕事も経済活動のうちのひとつですし、スーパーやコンビニなどでの買い物も、まぎれもない経済活動です。現代の日本に住んでいて、経済とまったく関わらないという人はおそらく誰一人としていないでしょうか。
ところが私たちの多くは、この毎日深く関わっている「経済」というものを案外よく知りません。この本はこの「経済」というものが身近でわかりやすく面白いものだ、ということに気づかせてくれる本です。チャートやグラフなどは全く使わず、経済の素人が直感的にわかる内容になっています。
この本を読むと今生きている世界がなんだかより面白いものに見えてきます。そして変化の激しい資本主義社会の中にあって、自分が何をしたらいいのか、ということも浮かび上がってきます。
2008/4/7(月) 実は、裏表紙は・・・
新しい課題本がスタートしました。今度は、なんと経済学の本。ソフィーの今までの傾向からいくと、ちょっと異色な感じもします。でも、なかなか面白そうです!なんといっても、本の装丁が可愛い☆でも・・・手に取った方はお分かりだと思いますが、この真ん中の白抜きの人。裏表紙は、パンツを履いていなくてプリッとお尻が見えてます。(笑)なんか、それだけでも、難しそうな経済本とは一味違うんだぞ、って感じがします。
2008/4/9(水) こんな絵本ありました
課題本がこの本に決まる前に、実はこんな絵本を何気なく読んでいたんです。『いっぽんの鉛筆のむこうに』絵本なので、難しいことは書かれていないけれど、いっぽんの鉛筆が手元に届くまでに、どうやって作られて、どんな人の手を介して、そしてどんな人々の生活を支えながら、やってきているのか。そんなことが、写真を交えながら書かれてます。
鉛筆じゃなくて、他のものだったらどうだろう?・・・なんて考え始めたら、、、身の回りの小さなものを一つとってみても、否応なしに世界とつながっている自分を感じました。経済学は直感的に分かるもの。そう書かれている、今回の課題本を読み進めたら、この感覚が、更に鋭くなるのかな〜。なんて、ちょっと楽しみです☆
2008/4/11(金) 経済はストーリー?
まずは、トップダウン。この本の感じを掴む、ということで、ざーっとナナメ読みしたり、Forward や Introductionを読んだりしてみました。目次を見てても、
- Who feeds Paris?(Ch.1)
- McDonald’s didn’t create・・・(Ch.5)
- Why that dollar in your pocke is more than just a piece of paper (Ch.10)
という風に、身近に感じられる表現や、固有名詞もあったりして、なんか親しみやすさを感じます。Introduction にも書いてあったけど、グラフも、チャートも、数式も使わないよ、と言ってるだけありますね〜経済をストーリーとして捉えよう!そんな風に投げ掛けられてるような気がします。
2008/4/13(日) この方は誰?
ForwardにもIntroductionにもいっぱい名前が出てきたこの方。Alan Greenspanさん。聞いたことがなかったので、ちょっと調べてみました。
うーん、色々Hitしましたね〜約19年に渡って、世界経済に大きな影響を与えた人。とにかく、すごい人って印象。でも、ウィキペディアに載ってるプロポーズの話はちょっとお茶目。(^-^)言葉が難解すぎて分からないって。(笑)(どんなプロポーズ??)とてつもなく頭の良い方なんだろうな、なんて思いました。
2008/4/22(火) メールいただきました!
さて、読者の方から、メールをいただきました。
えりさん、こんばんは。けんやです!
けんやさん、こんにちは!
メールありがとうございます☆
いま、”Naked Economics”と、それ以外の洋書を数冊並行読みしています。なので、えりさんのいっしょに読もう、楽しみにしていますね!
おっ、すごい!ぜひ、いっしょに読んでいきましょうね。
絵本もちょっと見てみまーす。
これは、この間紹介した本ですね。ぜひ感想も聞かせてください!
“Naked Economics”は、一章を読み終えました。経済はトレードオフだ、とか、最大限の利益を求めていくんだ、とかを、ブラジルが自分たちの成長のため森(資源)を刈る、とか鶏がなぜ道路を渡るか、なんて比喩を使っていて、たしかにこの著者、たとえが面白いですね。
うんうん。ほんとですよね。例えが面白いし、とても想像しやすいですよね〜。
ぼく経済学部だったんですが、たとえ話なんか一切なく、ミクロ経済、マクロ経済から入り、限界消費性向がなんちゃらとか、この需要曲線がほにゃららってグラフから入り、げんなりしますからね。えりさんの「いっしょに読もう!」と合わせて読み物として、楽しく読めそうです。
そうなんですね。経済学部だったら、面白い講義も色々あるのかと思ってました。そんなことないんですね〜・・・でも、ということは、これから楽しみですね!
あと、トレードオフとか最大限の利益を求めるのに「Choice」ということばが出てきていますが、他の本でも「Choice」がキーワードになっています。なので、Choiceを意識していきます〜
Choiceですね!そのキーワード、まだ拾ってませんでした。私もちょっと意識して読み進めたいと思います。けんやさん、ありがとうございました☆またメールお待ちしてます!
2008/5/17(土) 目線が変わる
オーノー!2ヶ月目も中盤になってしまいました。1ヶ月目最後のChapter3、4はGovernmentとEconomyについてでした。税金が人々に及ぼす良い影響とか、知的財産権があるからビジネスが生まれるとか。Governmentの恩恵って、結構あるんだなー、って感心しながら読んじゃいました。もちろん良い面だけではないけれど。それにしても、日頃、当然のように思ってたことが、実は色んな意図のもとに、今ある形になっているんだなぁ、と思うようになりました。新たな目線で物事を見れそうです!
【おまけ:Incentiveを身近に感じる!①】
先日、とあるスーパーで買い物をしました。私は、スーパーやコンビニで、大抵の場合、会計の際にレジ袋を断ります。その日もいつもと同じように断りました。すると、「では、お会計は○○円です。」とお店の人。あれ?さっき言った金額から減ってる?聞き間違いかしら、と思い、最初に言った金額を払うと・・・・
②へつづく・・・
2008/5/21(水) Human capital(1)
この章は、ソフィーとも深い関連があって、面白い!と感じました。Human Capitalって、耳にしたことはあるけど、「?」って感じだったんですが、本の中に載ってました。
Human capital is the sum total of skills embodied within an individual:
education, intelligence, charisma, creativity, work experience, entrepreneurial vigor, even the ability to throw a baseball fast.
(99ページ)
あとは、Wikipediaにも。つまり、人が持つ能力、知識、知恵など。Human Capitalと経済の関係。考えたことなかったけど、言われてみれば、とっても自然!
【おまけ:Incentiveを身近に感じる!②】
聞き間違いかしら、と思い、最初に言った金額を払うと2円戻ってきました。やっぱり後に言った金額が正解だったのです。どういうこと?と思い、レジに目をやると、「レジ袋不要の方は、2円値引きします」との表示。そうなんです、そのお店ではレジ袋を断ると、会計から2円引いてくれるのです。今まで、同じような場合でも、お礼を言われるだけだったり、スタンプカードにスタンプを押すといったパターンしか知らなかったので、ちょっとびっくりしました。でも、それと同時に・・・
③へつづく・・・
2008/5/25(日) Human capital(3)
人的資本を持たない人の場合は、もしかしたら犯罪が起きるかもしれない。そして、ビジネスも生まれるかもしれないけど、規模は小さいかもしれない。一方、人的資本を持つ人々を送り込んだら、新しい価値が生み出されたり、色んなビジネスが立ち上がったりして、そのやり取りから、人々の消費が活発になって、どんどん景気が良くなりそう。この差って、スゴイ!
human capital is by far the most important form of capital in creating wealth and growth.
(106ページ)
いやいや、その通りですね・・・
【おまけ:Incentiveを身近に感じる!④】
そして、なんだか、スーパー側の意図を感じれて、嬉しくなったのです。それにしても、エコとはいえ、レジ袋を減らしたところで、スーパーにはあんまり利益にならないんじゃ?と思ったりして、色々調べてみました。
その答えは、ここにありました。
http://www.ohmynews.co.jp/news/20070620/12360
関連情報:容器包装リサイクル法
http://www.env.go.jp/recycle/yoki/amendment/index.html
2008/6/15(日) 懐かしきGDP
Chapter9、「Keeping Score」。ここは、経済状態を示す数字・指標について色々と書かれてました。よく登場していた、GDPという言葉。そういえば、学校で習いました。すっかり忘れてたけど(笑)で、学長の講義の中でも取り上げられていたこの箇所。
When the headlines proclaim that the economy grew 2.3 percent in a particular year, we are talking about GDP growth. It means simply that we as a country produced 2.3 percent more goods and services than we did the year before.
GDPの説明は、Wikipediaでも発見したけど、要するに、goods と serviceの生産が増えたってことかぁ。シンプルだ〜。
【おまけ:Incentiveを身近に感じる!⑤】
さらに、さらに、レジ袋について調べてみました。スーパーのレジ袋、有料化賛成43%に載っている、マイバッグ持参の理由に、「特典があるから」ってあるけれど、これってまさにIncentiveですね!
2008/6/16(月) 子供向け万歳!
なんだか、GDPが気になって色々調べてみました。
キッズページは易しく説明してくれるので、とても好きです(笑)そんな子ども向けページを集めたHPも発見。
ちょっとゆっくり見てみようっと。
【おまけ:Incentiveを身近に感じる!⑥】
ほかにも、まだまだ出てきます。レジ袋有料化をどう考えるか?有料化ということが、関心の高まりを促すということは、これもIncentiveかなぁ。
2008/6/17(火) The Federal Reserve
Chapter10は、「The Federal Reserve」。この本は、どの章も章毎の副題が惹きつけられるんですよね。この章は、
Why that dollar in your pocket is more than just a piece of paper
こう書かれるとぐっと、読みたくなっちゃうのです。それにしても、読み進めると、Federal Reserveの決定は世界を大きく動かしてるんだなぁ。。ということが分かりました。むむ。もうちょっと深めたいので、学長からも紹介のあった、この本を読んでみることにします!「経済のニュースがよくわかる本」ぱらっと目を通したけれど、とっても読みやすくてオススメです!
2008/6/18(水) お金と豊かさの関係(1)
6/17に紹介した本を読み進めてますが、分かりやすい!外国為替相場のことや、為替が変動することでどんな影響があるかなど、いまいちピンと来ない方は、ぜひぜひ読んでみてください☆そして、Chapter10の内容がより深く理解できます。
To economists, money is quite distinct from wealth. Wealth consists of all thingt that have value ― houses, cars, commodities, human capital.
(176ページ)
為替相場の変動で、インフレやデフレが起きたりすることを考えると、ほんと頷けます。。過去を振り返ってみても、様々な国に壊滅的なダメージをもたらたした過度のインフレやデフレ。お札が紙切れ同然になったり、はたまたすごく価値を持ったり・・・。
(つづく)
2008/6/19(木) お金と豊かさの関係(2)
そう考えると、お金は象徴に過ぎないんだなぁ。
Money, a tiny subset of that wealth, is merely a medium of exchange, something that facilitates trade and commerce. In theory, money is not even necessary.
(176ページ)
もちろん、貿易とか商売ではとても便利なものではあるけど。お金に信用というエネルギーをを置くのは人間。お金の僕になるのではなく、自分が豊かだったり、Happyでいられるためにお金にうまく仲介してもらおう。そんな風に思いました。
【おまけ】
経済学からお金を考えるのって面白い!(^o^)ただ、それだけでなく、お金をもっと哲学してみたり、精神面などからも考えると、さらに深まります。それにうってつけの本はこれ。「The Trick to Money Is Having Some!」
2008/6/22(日) ノーベル賞受賞者はどんな人?
読み進めていて気になるのは、たびたび、ノーベル経済学賞受賞者の名前が出てくるということ。ノーベル賞って、スゴイ賞だな、ってくらいで実はよく知りませんでした。その辺りを、スタッフのともみさんが調べていて情報を教えてくれました!
この本に出てくる受賞者の方はどんな人たちなんだろう、そしてどんなことに対して受賞したんだろうと思って調べてみたの。
日本語のサイトは:
http://www.nobelpreis.org/japanese/wirtschaft.htm
だけど、よくわからなかったので、英語のサイトを調べたら:
http://nobelprize.org/nobel_prizes/economics/laureates/こんなふうに人の紹介があったり:
http://nobelprize.org/nobel_prizes/economics/laureates/2001/index.htmlさらには受賞公演(というのかな?)の動画を見ることができたり
テキストを読むことができたり:
http://nobelprize.org/nobel_prizes/economics/laureates/2001/akerlof-lecture.html
(これはp.84に出てくるGeorge Akerlofさんのものです)*動画はPrize Lectureのところ、
テキストはThe Lecture in Text Formatのところで見られます。
うわー、ありがとうございます☆Chapter10に出てきた、Robert Mundellさんも早速調べて、発見しました。http://nobelprize.org/nobel_prizes/economics/laureates/1999/右下のInterviewから、インタビューも聞けます!それにしても、すごいですね〜!ノーベル賞というものがとても身近に感じられます。
2008/6/23(月) 世紀の大発明(1)
Chapter11、「Trade and Globalization」。この章は、またとっても面白い!6/8の学長のウィークリーレクチャーでも取り上げられていた箇所。
Imagine a spectacular invention:
a machine that can convert corn into stero equipment. When running at full capacity, this machine can turn fifty bushels of corn into a CD player.
(187ページ)
トウモロコシをステレオ装置に、しかも頑張れば、トウモロコシをCDプレーヤーに変えることだってできる。小学校のときに、環境問題を考える授業で、想像して描いた絵を思い出しました。私は、お金の代わりにごみを入れたら缶ジュースが出てくる自動販売機の絵を描いたんです。かなり突飛ですね(笑)でも、それくらい、ここの文章に書いてあることも夢のような話に思えます。
(つづく)
【おまけ:Incentiveを身近に感じる!⑦】
その他には、日本以外の国々の情報もありました。
海外でも、様々な形で、関心が高まっているのですね。(Incentiveを身近に感じる!・おわり)
2008/6/25(水) 世紀の大発明(3)
そして、この貿易。世界の国々の間でますます増えて、そうすることで、隣の国だけでなく、遠く離れた国とも距離が近くなっていく。簡単に言ってしまえば、あなたの持っているソレと、私の持っているコレを交換するだけ。なのに、それが広がっていくことで、世界がどんどん小さく感じられる。世界は小さい・・・そんなことを思っていたら、有名な童謡、「イッツ・ア・スモール・ワールド」を思い出しました。で、歌詞が急に気になったので、調べてみちゃいました。
〜 イッツ・ア・スモール・ワールド 〜
世界中どこだって
笑いあり涙あり
みんなそれぞれ助け合う
小さな世界
世界はせまい世界は同じ
世界はまるいただひとつ
そっかぁ。貿易って、お互いを助け合っているんだなぁ。なんて、子どもの頃に聞いた、耳懐かしい歌に気づかされました。(笑)
【おまけ】
「イッツ・ア・スモール・ワールド」、2番もとてもいいので、載せておきます!
世界中だれだって
ほほえめばなかよしさ
みんな輪になり手をつなごう
小さな世界
世界はせまい世界は同じ
世界はまるいただひとつ
貿易って、手をつなぐことでもあるのかもしれない。
2008/6/28(土) 経済の基本原理(2)
それでそれで?
そして、安易に株で儲けようとしている人の多くは、こういう起こりもしないことを期待して株をやっている。そう作者は言っています。
ふーむ。長期で見た投資というより、投機みたいなことかな〜。
経済の基本原理というのは128ページの4行目に
You are trying to maximize your utility >- and so is everyone else.
と書いてあります。つまり、みんなが自分が得するように動くという前提で経済学は成り立っているようです。
ふむふむ。誰かだけが得をするのではなく、関わる人みんながってことね。
じゃあこの話のどこが経済学の基本原理に反しているのかというと127ページの13行目
①50万ドルの価値があるとして、それを25万ドルで売ろうとしている人がはたして本当にいるのか?仮にいたとしても周りの人間がそれをほっておくわけがない。
②不動産業者の人はこれが必ず50万ドルになると知っていてなぜ先に買わなかったのか?わずかな仲介手数料をもらうのと25万ドル儲かるのを比べたら、誰でも25万ドル儲かる方を取るに決まっている。
③万が一、売り手も不動産業者もそこに気づかなかったとしてもそれだけのいい物件は買い手が殺到するので結局50万ドルにつり上がる。
なるほどー。普通に考えても、ちょっとおかしいってわけね。おいしい話が怪しいっていうのも、こういうところから来てるのかも。
(つづく)
【おまけ】
「竹中平蔵の特別授業―きょうからあなたは「経済担当補佐官」」竹中さんが、中高生に対して、質疑応答も交えながら、経済について分かりやすく語っています。とっても読みやすくてオススメです☆
2008/6/30(月) 振り返り!
この本を読んできた3ヶ月間。読み終えたタイミングで、自分に起きた変化、できるようになったことなど、これまでを振り返ってみたいと思います。(しばし、頭の中で振り返り・・・)えーっと、
- お金そのものは、金属や紙。けれど便利なツールではあるので、自分や他の人の幸せのためにうまく仲介してもらおう!と思うようになった。
- 貿易のパワーを知った。貿易って自分とかけ離れてるような感じがしてたけど、とても身近で、そのパワフルなことが自然に起こってることがすごい!と感じるようになった。
- 人的資本の大切さを知った。人的資本があることで、新しい仕事が生まれ、経済に大きな流れを生まれる。”教育”の経済の中での重要性も感じるようになった。
- 通貨価値の上げ下げ、デフレ・インフレなどの意味を知った。前はなんとなく知ってる、って感じだったけど、理解が深まった!
うわー、色々ありますなぁ。まだまだあるけど、この辺で。(笑)けど、何より大きいのは、経済に興味を持つようになった!ってこと。こうして、変化やできるようになったことを以前と比べるのってとても大事。ソフィーメソッドのコントラストの原理ですね!!モチベーションも高まるし、今後、力を注ぎたい方向が見えたりします。あと、単純に楽しい(笑) (^o^)
私自身は、経済が楽しくなってきたので、次の課題本の経済の本でも、ますます深めていこう!と思います☆ (^-^)v良かったら、いっしょに読んでいきましょう♪ここまで読んでくださってありがとうございました!