まだまだ知られていない脳の力
脳に関する研究は多くの人が興味を持っています。そしてそれに関する書籍もたくさんでています。それらの数冊を手に取って読んでみたことがある方もいらっしゃるでしょう。
「でも、言っていることが難しくて理解できない。」
「その研究成果が自分の生活にどう役立つのかわからない。」
読んでみてそういう印象をもったことも多いのではないでしょうか?
この著者であるJoe Dispenzaはもともとカイロプラクティックの先生。脳科学者ではありません。脳科学者が書くと、脳の本はどうしても学術的になってしまいがちです。でもこの本は脳科学者ではない人が、「最新研究の成果をどう生活に応用するか」という興味で研究をすすめ、まとめたもの。ですから一般の人にとてもわかりやすい文章になっています。
そもそも著者が脳の仕組みに興味を持ったのは、自分が医者に見放されるほどの大怪我から、奇跡的に回復した経験に始まります。自分が回復する姿を一日に何度もイメージする努力などを繰り返すことで、一般的には考えられない治癒が彼に起こりました。このことから「脳というのは、一般的に考えられている以上の力があるに違いない」と思い、研究を始めたのです。
このような自分自身の体験が含まれていることが、この本を特徴的にし、さらに説得力の高いものにしています。
この本の3つの特徴
この他にもいくつかこの本を特徴的なものにしているポイントがあります。
それらをまとめてみると次の3点になるでしょう。
(1)「意識が脳を作り出している」という立場に立っている。
ほとんどの脳研究者は「脳はどのような仕組みで意識を作り上げているのか?」ということを解明しようと努力を続けています。
でも、この本によればこのような立場からの研究は答えを導き出すことができない。なぜならば「脳」が「意識」を作り出しているのではなく、「意識」が「脳」を作り出しているから。
そうこの本の著者は考えています。
「脳」が「意識」を作っているのなら、意識を変えることで脳を作り変えることはできません。でも、「意識」が「脳」を作っているのなら、「意識」を変えることで「脳」を変えることができる。そういう可能性が高まるからです。
(2)Neuroplasticity(神経可塑性)について詳しく説明している。
Neuroplasticityは脳の研究の中で、最も注目されているもののひとつです。
これは簡単に言うと「脳は変化・成長する大きな力を持っている」ということ。そしてその理屈がわかると、いくつになっても成長し続けられる、ということがよくわかります。
また、その成長を促すためにどうしたらいいのか、ということもこの本の中で示されています。
(3)前頭葉に関する研究がわかりやすく説明されている。
他の動物に比べ人間は前頭葉が極端に大きくできています。このことなどから前頭葉は「人間らしさ」を作っている部分だ、と考えられています。
しかし、この前頭葉に関する研究は他の部分の研究に比べて遅れていて、英語のものでも前頭葉に関して詳しく説明している本はあまり多くなく、まして日本語のものはかなり少ない状況です。
この本ではその前頭葉の働きをわかりやすく説明しています。そしてその部分を活性化し、「人間らしい能力」を最大化するためにどのようにしたらいいのかを示してくれています。
参考英語レベルと受講の効果
このようにこの”Evolve Your Brain”は非常に魅力的で読む価値の高い本です。
ただ、ネックとなる点があるとすれば、分量が多いこと。エピローグの手前までで468ページあります。
そうした観点から英語力の目安はTOEIC900点程度としています。TOEICのスコアは相当していなくて、一人で学ぶのは難しいかもしれないけれど、ソフィーの講義、教材のサポートがあるからチャレンジしてみたいという場合も、もちろん受講可能です。
ページ数は多いですが、図解も多いため、文章は非常に読みやすいです。
能力を伸ばす、ということは自己啓発の立場からも、ビジネスの立場からも重要でエキサイティングなテーマです。そしてこの本は、能力の伸ばし方について科学的根拠を明確に示しています。
自分の能力を伸ばしたい人、社員や部下の能力を伸ばしたい人、子どもの成績を伸ばしたい人、など、能力向上に興味のあるすべての人に心からオススメします。
この講義を受講するには
「実践脳科学」は通学コース(長岡・恵比寿)、通信コースで受講可能です。
詳細は下記ページをご確認ください。