2007年7月〜9月の講義案内です。
ポジティブに「あとまわしの習慣」を改善
The Now Habit
"The Now Habit" by Niel Fiore
テキスト代:2,100円(税込 2,310円)
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ニール・フィオア博士による「仕事の能率アップ」についての名著。1988年の初版以来、20年近くも売れ続けています。しかしまだ邦訳はされていません。
こういうタイプの本の多くは「人間は本質的に怠け者である」という前提に立ち、「どうやって自分の尻を叩くか」という手法を紹介しています。
ところがこの本の著者は、「人間は本質的に何かを作ることや成長することが好きである」という前提に立っています。
そして「尻を叩く」のではなく、本質的な成長欲求を止めているものを、取り除くことによって、自然に楽しく生産性を上げる手法を紹介しています。
心理学者らしく「あとまわしにする習慣」をわかりやすく分析し、説明してくれているので、理屈がわかってからの方が行動に移しやすい人にもお勧め。
しかも具体的な行動のための「プログラム」を提示してくれているので、非常に実践に移しやすいです。
とにかく仕事を楽しくやりたい人、アイデアはたくさんあるのに目の前の仕事がなかなかはかどらない人、生産性を高めたい人などに、強く推薦します。
Amazon.comの評価の高さとその数を見ても、この本のすばらしさが垣間見れるはずです。
組織やチームについての理解をもっと深める
The Power of Spirit
"The Power of Spirit" by Harrison Owen
テキスト代:2,400円(税込 2,640円)
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マーガレット・ウィートリーの"Leadership and the New Science"に続き、「新しい科学」の潮流の中に、これからのリーダーや組織のあるべき姿を見つけ出している本。
"Leadership・・・"を読んで、こういう方面の知識と理解をもっとに深めたい、という方にお勧め。さらに一歩実践に踏み込んだ内容になっています。
著者のハリソン・オーエン氏は、「オープン・スペース・テクノロジー」という会議手法を生み出した人。この手法は、P&G、イケア、IBM、GMなど世界的な企業でも採用され、大きな成果をあげているそうです。
実際、少人数で私自身も何度か実験しましたが、「これは面白い!!」と思いました。
会議の参加者が自主的にどんどん意見を出し、中盤からは司会は何にもしなくても、話が勝手にまとまっていき、行動に落とし込まれていくんです。とっても不思議なのですが、とっても自然です。
"Leadership・・・"の本に、「自然は一人のリーダーがいなくても、適切な環境があれば、自立的にまとまり、秩序を作っていく」という"self-organizing"(自己組織化)の概念が紹介されています。この会議手法を試すと、 そういう現象が人間の組織でも起こる、ということが目の当たりにできます。
これについては日本語でも最近訳書が出ました。
オープン・スペース・テクノロジー ~5人から1000人が輪になって考えるファシリテーション~ 単行本(ソフトカバー)
興味がある方はまずこの日本語版を読んでみるといいでしょう。そして「面白いかも」と思ったら、"The Power of Spirit"を読んでみてください。
オープンでクリエイティブな雰囲気を作り、自立的に秩序を作っていくチームを育てる手法やヒントが書いてあります。
もちろんこれも未邦訳です。