一生懸命英語を勉強しているのに、たくさん単語も表現も覚えてきているはずなのに、いざ実際に英語を使う場面になると「なかなか英語が口から出てこない」という状態で苦しんでいる人は多いと思います。どうしてそういう状態になってしまうのでしょうか?ここではその原因を探り、さらにはその解決策を見出していきます。
【内容の要約】
- なぜ覚えた英語が口から出てこないのか?
- 「自意識過剰」とはたとえばどういう状態か?
- どうして「自意識過剰」になってしまうのか?
- どうしたら「自意識過剰」から抜け出せるのか?
1.なぜ覚えた英語が口から出てこないのか?
英語を一生懸命勉強しても、なかなか英語が話せるようにならない人っています。中にはTOEICで900点以上とっても、英語が話せるようになっていない、という人もいます。
どうして、こういうことが起こるのでしょうか?どうして覚えた単語や表現が、なかなか口から出てこなかったりするのでしょうか?まだ英語の勉強が足りないのでしょうか?もっと音読トレーニングとかをしたり、シャドーイングとかをしたりしなくてはいけないのでしょうか?
実は、ある程度の英語力がある(TOEICなどのテストでまずまず点数がとれる状態にある)ような人で英語が口からでてこない、というのは、英語力が問題なのではありません。
それは本当は「心理的」な部分に問題があります。
ごく簡単に言うと、覚えた英語が口から出てこないのは
「自意識過剰」
の意識状態にあるからです。
「自意識過剰」になるために、心理的に過度に緊張してしまい、しゃべれなくなってしまうのです。
2.「自意識過剰」とはたとえばどういう状態か?
あなたは今までの経験の中で、「大好きな人の前に出たら一言もしゃべれなくなってしまった」というようなことはありませんか?
これは意識が「自意識過剰」の状態になり、意識の向きが自分向きになってしまっているために、エネルギーの一種である「言葉」が相手に向かって流れ出ない、ということが起こっているのです。
この場合、「日本語力がないから話せない」わけではありませんよね?
似たようなことは人前でスピーチをしなくてはいけない、というような場面でも起こります。少人数でおしゃべりしているときには問題なく話せているのに、大勢の目線が自分に向かうような場面では、どうしても「自意識過剰」になってしまい、言葉が出にくくなってしまうのです。
これも「日本語力がないから話せない」わけではありません。
英会話の場合も、まったく同じです。
ある程度単語力とかがすでにあるのに話せない人は、英語を話すときに「自意識過剰」の状態になってしまっているのです。
3.どうして「自意識過剰」になってしまうのか?
英語を「勉強」していると、意識は自分向きになりやすくなります。
英語の音読トレーニングとかシャドーイングのトレーニングとかそういう類いのものを繰り返してやると、ますます意識が自分向きになりやすくなります。音読をしているときは「自分が上手に音読できているかどうか」と、自分のことを意識していますよね。これは意識を「自意識」の方向へ向かせるクセを付けているようなものです。だから、いざ英会話をするときに「自意識過剰」の状態になりやすくなります。
発音トレーニングなども同様です。「もっとかっこよく発音したい」と一生懸命トレーニングすればするときは「自分がきちんと発音できているだろうか?」と自分に意識を向けますよね。だからこのトレーニングを過度にやるとどんどん自分向きに意識が行くことの癖がついてしまいます。だから、いざ英語を話すときに条件反射的に「自意識過剰」の状態になってしまうことになります。
つまり一般的に英語力上達のために良いとされているトレーニングや学習法の多くが、実はプラスになるどころか、英語力アップのマイナスになるものだったのです。
だからいくら一生懸命勉強しても、なかなかしゃべれるようになっていかなかったのです。
4.どうしたら「自意識過剰」から抜け出せるのか?
ではどうしたらこの状態から抜け出すことができるようになるのでしょうか?英語を話すときに自動的に「自意識過剰」の状態になってしまう条件反射から抜け出し、もっと英語が上手に自然に話せるようになるのでしょうか?
答えはシンプル。
「意識の向きを相手向き」にすることです。
「自意識過剰」というのは「意識の向きが自分向き」に過度になっている状態なので、その向きを反対向きにしてあげることができるようになると治ります。
では「意識の向きを相手向き」にしてあげるには、どうしたらいいのでしょうか?
その答えもシンプル。
「相手に関心を持つこと」です。
自分自身よりも相手に関心を持つようになれると、意識は自然に相手に向かうようになります。意識が相手に向かうとエネルギーは相手に向かうようになり、そのエネルギーに乗って言葉が流れ出るようになります。
以前、書いた『英語上達の一歩目でみんな間違えている:正しい英語上達法』という記事はこれに関連した内容ですので、もう少し具体的な部分を知りたければこちらもあわせてお読みください。