英語の社内公用語化で困っている人たちへの提案:英語力アップの4ステップ

【内容の要約】

  1. [問題点1]英語の社内公用語化はサラリーマンには大きな負担
  2. [問題点2]TOEICの対策勉強をするのは無駄が多い
  3. [解決策]ビジネス洋書を多読せよ!

 

1.[問題点1]英語の社内公用語化はサラリーマンには大きな負担

楽天とユニクロが英語を社内公用語にしてから、しばらく経ちました。楽天が英語の社内公用語化をはじめてから、社員たちが苦闘している様子のドキュメンタリーをテレビで見たことがあります。その番組を見ただけでも社員の大変さはかなり伝わってきました。

私も経営者として「英語を社内公用語にする」ということの経営側の意図はよくわかります。

しかし同時に私自身も以前は英語を身につけるのに四苦八苦していた一人として、短期間でTOEICの点数を上げることを求められる社員の方々の大変さも推し量れます。

ただでさえ毎日の仕事で忙しいのに、その中でTOEICの点数も上げることを要求されたら、その過大なストレスに耐えきれなくなってしまう人も少なくないでしょう。
残業

そこで今回はそんな方のために、社内公用語化にできるだけ「意味の感じられる方法」で対応し、英語力を上げ、TOEICの点数を上げ、かつビジネス力も上げ、より仕事もスムースに進められるようになり、かつ人間力も上がる、というそんな一石五鳥の方法を紹介したいと思います。

2.[問題点2]TOEICの対策勉強をするのは無駄が多い

社内でTOEICの点数を上げることを求められた時、「TOEICの対策勉強をする」ということが、もっともよくある失敗例です。

TOEICの対策勉強をすればTOEICの点数は上がるかもしれません。しかし、TOEICの点数があがっても、本当の「英語力」はあまり上がっていないことがあります。実際に英語を使う場面になると、英語が全く口から出てこなかったり、仕事上の英文も全く読めなかったりするのです。

TOEICは「テスト」なので、当然「テストの傾向」があり、その傾向をつかんで準備をすれば点数は上がります。しかし、「テスト力」はあがっても「英語力」が上がっているとは限りません。たくさんの時間を費やしても、本当の「英語力」があがらなければ無駄骨です。「TOEICの点数は高いのに、英語しゃべれないじゃないか」と逆に会社での評価を下げてしまうことだってあるかもしれません。

それでもTOEICの点数があがればまだマシです。点数さえ上がれば、会社はすくなくとも最初のうちは、とりあえず評価してくれます。

最悪なのはTOEICの対策勉強をさんざんしても、点数がなかなか上がらないケースです。こういうケースは非常に良くあります。

TOEICの問題の英語は決して面白いものではありません。「面白くない英語」はなかなか頭に入っていきません。あなたが「日本語のネイティブ」でも「つまらない日本語」はなかなか集中できず頭に入らないのと同じです。

頭に英語が入っていかなければ、TOEICの勉強にならないので、効率が悪くなかなか点数が上がっていかないのです。これでは、いくら時間をかけてもその時間と労力が無駄になってしまいます。

2.[解決策]ビジネス洋書を多読せよ!

こういう失敗を避けるために、私が提案したいのが「ビジネス洋書を読んでいく」というやり方です。このやり方はなにより「大量の英語」を頭にインプットできるので、非常に成果が上がりやすいやり方です。

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「ビジネス洋書を読むなんて無理」と思うかもしれません。しかし実はビジネス洋書を読んでいくのはそれほど難しいことではありません。このブログの中に書かれていることをヒントにしながら、「自分の興味のある分野の洋書」を選び読んでいけば、読めるようになる確率は高いです。

「興味のある洋書」には「興味のある内容」が書かれているので、全く興味のないTOEICの英文を読んでいくよりずっと楽しく集中できるはずです。最初のうちはこれまでの「英語に関する悪い条件付け」のせいで、うまくいかないかもしれません。でも、スタート時に上手にその悪い条件付けを「毒出し」し、「デトックス」することに成功したなら、そのあとのプロセスは比較的にスムースにいくでしょう。

◎STEP1 まずは、今仕事で直面している問題点を洗い出す

まずは今の仕事の中で直面している問題点を洗い出しましょう。そしてその問題の解決策が書いてありそうな洋書Amazon.comやAmazon.co.jpで探します。

もしあなたが「自分にセールス力がない」ということが問題点になっているのでしたら”sales”で検索してみれば良いでしょう。取引先との交渉が難航していて困っているのでしたら”negotiation”で検索してみましょう。検索してみた中でページ数が比較的少なめで、英文が比較的易しそうなものを選ぶと良いでしょう。

日本語の翻訳が出ているものは、邦訳版を参考にしながら、洋書を読み進めていくのもいいと思います。

◎STEP2 次に、問題を解決するために洋書を「拾い読み」していく

ただ「一語一句翻訳していく」ような読み方をしてはいけません。今直面している問題点を解決するヒントとなりそうな部分だけを「拾い読み」していきます。拾い読みをして解決のための行動アイデアがひらめいたらOK。

「正しく読めているかどうか」なんて気にする必要はありません。まずは直面している問題を解決することが優先です。だからたとえ間違って読み取ったとしても、そこから問題解決に有効なアイデアを得られたなら、それで超OK、と考えましょう。

◎STEP3 そして、アイデアを会社で「実験」する

問題解決のアイデアを、早速翌日会社でそれを「実験」してみましょう。

幸いにも、いきなり試してみたことが一回でうまく行くことはないので、もう一度そのヒントを見つけた部分や周辺の英文を読み返してみます。すると1回目では読み取れていなかった部分が2回目では楽に理解できる部分が出てきます。その2回目ではじめて理解できた部分からアイデアをもらい、最初の行動を修正し、2回目の「実験」をします。そしてその反省をもとに3回目を読み、そこからまたアイデアを出し、「実験」する 、、、というプロセスを何回も繰り返していくのです。

これによって、問題はおそらく解決の方向へ少しずつ向かっていきます。問題によってはすぐに解決の方向に向かわなくても、少なくとも何らなの取り組みを行うことによって、新しい学びは起こっているはずなので、大丈夫。表面的な目に見える成果は出ていなくても、その問題への取り組みと学習を続けている限り、水面下では事態は解決へと進んでいるものです。

◎STEP4 結果として、英語力とTOEICが上がる

こうして読み込んだ「英語」は、洋書から得た知識を会社で「実験」してみることによって「体験」を通した「生きた英語」として吸収されていきます。こうやって覚えた英語は忘れにくく、蓄積しやすいので、これを繰り返すことで英語力は上がりやすくなります。

その結果当然TOEICの点数も取りやすくなっていきます。

この方法が良いのは、「洋書から得たアイデアを翌日すぐに仕事に活かす」ということによって、すぐに何らかの「結果」が得られることです。
TOEICなどのテスト勉強がつまらないのは、ひとつにはその取り組みの「結果」が現われるまでにしばらく時間がかかる、というとろこにあります。多くの人は「結果」が出る前に勉強に飽き飽きしてしまうのです。
ところがこの方法だと、行動することによって、何らかの「学び」が得られるために、すぐに「結果」が得られます。「実験」が失敗しても、そこから何らかの「学び」は得られます。「実験」が成功しても、当然「学び」は得られます。

このことを繰り返すうちに目の前の仕事の問題が解決していくようになります。そしてこれを継続していると確実に「ビジネス力」が上がっていきます。セールス力や企画力、マーケティング力やリーダーシップなど、読む洋書によって違いはありますが、様々なスキルアップがはかれます。

そして「結果として」英語力が上がり、TOEICの点数も上げられるようになっていきます。

「英語力アップ」と「ビジネス力アップ」を別々に考え、別々に取り組めば、時間は倍かかってしまいます。しかしこの方法だとそれを同時に取り組めるので、トータルの時間は半分以下に押さえることができるのです。

従来のやり方でTOEICの点数をアップできている人は、その方法を続けていってもいいかもしれません。でも、もし従来の方法でなかなかうまく行っていない人は、ぜひこの方法に挑戦してみてはいかがでしょうか。ご検討下さい。

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