やる気持続のコツ:「学ぶことの喜び」の使い分け方

ソフィーは「学ぶことの喜びで世界を満たす」ということをミッションとして掲げています。そしてこの「学ぶことの喜び」には2つの種類があると考えています。この2つの違いを理解し、上手に使い分けることが学習の成果を高めるために非常に重要です。

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【内容の要約】

  1. 現代教育の問題点と解決策
  2. 「学ぶことの喜び」の2つの種類
  3. それぞれの「炎」の使い分け方

 

1.現代教育の問題点と解決策

いまだに日本には「勉強は修行である」というような風潮が根強く残っていると感じます。そしてそれを前提条件として、学校やその他の教育機関のほとんどは作られていると思います。私たちソフィー・ジ・アカデミーはこの「勉強は修行である」という「思い込み」が、教育の問題や社会の多くの問題の原因のひとつになっていると考えています。その思い込みを「学ぶことは楽しい」というものに変えることによって、社会にプラスの変化を起こしていくためのきっかけになると確信しています。

2.「学ぶことの喜び」の2つの種類

ただ、「喜び」には種類があります。その種類を見分け、上手に使い分けないとこの「喜び」は一時的なものに終わってしまいます。楽しく遊んで「ワッ」と盛り上がって、それで終わり、となってしまうのです。ですからまずはその種類をしっかりと見分けて使い分けることが、学習のモチベーションを継続させ成果を上げ続けるための大きなポイントとなってくるのです。そこで今回はソフィーでスタッフが生徒たちのモチベーションを促進するために使っている「学ぶことの喜び」の分類を紹介します。

ソフィーで私たちは「学ぶことの喜び」をざっくりと2つにわけています。ひとつめは「赤い炎」、ふたつめは「青い炎」です。それぞれを詳しく説明してみましょう。

星空をイメージ

まずはちょっとイメージしてみてください。

あなたが夜空を見上げていることを想像してみましょう。
その夜空は晴れ渡っていて星たちが綺麗に見えます。そのうちの星のひとつひとつをよく見ると、それぞれの星は、その明るさだけでなく、その色も微妙に違うことに気が付きます。情熱的に赤く光る星もあれば、クールに青く輝く星もある。その中間で黄色っぽく見える星もあります。

 

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星の色がそれぞれ異なることは中学校の理科で習います。赤い星と青い星を比べた時、見た目は一瞬赤い星の方が温度が高く感じる人もいるかもしれません。しかし実際に温度が高いのは青い星です。一見涼しげに見える青い炎の方が温度は赤い炎よりずっと高いのです。

詳しくはこちら。「星の色」
http://kodomo123.ec-net.jp/biz/tsu_wkk/star/star_color/star_color.htm

この物理現象を例えとして使い、ソフィーで私たちは「学ぶことの喜び」を「赤い炎」と「青い炎」の2つに分類しているのです。

「赤い炎」の喜び

「赤い炎」の喜びは、にぎやかで、一見すごく楽しそうに見えるタイプの喜びです。クイズ形式で問題を出し合いっこして楽しんだり、タイムを測って「時間内に終わったら10ポイント!」みたいに遊びながら宿題をしてみたり、塾で気の合う先生とキャッキャとおしゃべりしながら勉強を進めていったり、というような楽しみ方がそれにあたります。このタイプの喜びは、短期的にはワーッと盛り上がります。しかし持続性はあまりありません。

「青い炎」の喜び

「青い炎」の喜びは、静かで、外見上はあまり楽しんでいないようにも見えるタイプの喜びです。黙々と本を読んでいたり、静かに昆虫を観察していたり、低いトーンで仲間と知的な話題で話し合っていたり、というような楽しみ方がそれに当たります。このタイプの喜びは、なかなか促しにくいのですが、一度この火がついてしまうと極めて強い持続性があります。

3.それぞれの「炎」の使い分け方

 

最初は「赤い炎」で

何か新しい学習に取り組むときに、はじめの段階で「赤い炎」の喜びに浸ることは、決して悪いことではありません。「赤い炎」は着火しやすいので、学習のスタート時の加速力をガッと上げていくのにはとても役立ちます。

しかし「赤い炎」は長くは続きません。これだけでやる気を出すことを続けていると、やがて息切れがしてきて、それでもそれを続けようとすると、いずれ「燃え尽き症候群」のような状態に陥ってしまいます。定期テストや受験勉強に対して点数的な目標や志望校合格という目標を持ってゲーム感覚で勉強していく、というタイプのやり方はこの「赤い炎」にあたります。定期テストが終わったり、受験が終わったりした途端に、学習へのモチベーションは失われます。そして「燃え尽き症候群」になるために、やる気を再び起こすまでには、かなり時間がかかります。

その後「青い炎」へ

そこで、「赤い炎」で着火したら、できるだけ早く「青い炎」に移行するようにするのです。受験勉強なら、単に「歴史の重要語句」を覚えるだけでなく、その背後にある歴史的な真実もついでに調べて見るようにしたり、友達や家族とそれについてカジュアルなディスカッションをするようにしたりするのはいい方法のひとつです。理科なら、たとえば天体のところを学んだ時に、教科書を覚えて終わりにするのではなく、夜に外へ出てみて実際に星を観察してみたり、今自分が地球という球の上に立っている、ということの不思議を感じてみたり、というのも面白いでしょう。英語であれば、受験のためのつまらない英文を読むのではなく、自分が心から興味を持てる内容のネット上の英語の記事とか洋書とかも読むようにします。そして読むだけでなく、その読んだ内容をできる限り現実の世界で実際に応用して試してみたりします。

こういう方向へ意図的に移動し「青い炎」にすることができると、無理をしなくてもやる気が持続するようになります。そのエネルギーは静かなのですが非常にパワフルで、集中力も理解力も「赤い炎」の時より圧倒的に高いものになっていきます。さらにその「熱量」が大きいので、他の人にも伝染しやすく、まわりの人に良い影響を及ぼします。

いますぐ応用してみよう

いかがでしょう?

「学ぶことの喜び」の「赤い炎」と「青い炎」、それぞれの違いと特徴がなんとなくでイメージできたでしょうか?ぜひ意識をしてこれらの「炎」を使い分けてみることをおすすめします。それによって、学習の成果が出やすくなるばかりか、まわりの人にもどんどん良い影響を及ぼしていくことができるようになっていきます。

試してみてください。

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