スタンフォード大の「創造力を鍛えるクラス」が受講できるビデオ

「クリエイティビティって先天的なもので大人になってから身につけることは無理だ」と思い込んでいる人は少なくないようです。しかし、そんなことはありません。ここではクリエイティビティを身につけるための第一歩としてぜひ見てみて欲しいビデオを紹介します。

d-school

【内容の要約】

  1. [問題点]世の中には「創造力」が不足中
  2. [解決策]このビデオを見て、実践するべし
  3. このビデオを創造力を鍛えたい人にお勧めする理由

1.[問題点]世の中には「創造力」が不足中

世の中では今、次から次へと問題が表面化してきています。
そんな中、この社会ではそれらの問題を解決することができる「創造力」が非常に求められています。

しかし、私たちの多くは現代の教育の中で「知識を記憶する」ことは一生懸命行ってきていますが、その知識を応用して現実の問題を解決につなげる、というような「創造力を発揮する」ことはほとんど行ってきていません。ですからこの種の力を発揮することが往々にして苦手です。

本屋さんに行くと、「クリエイティビティを伸ばす方法」のような本はたくさん出ています。しかし、そのほとんどはその著者の体験談をまとめたものに過ぎません。確かに参考にはなります。でも、それらは多くの人で検証された実証済みのプロセスではありません。創造性を伸ばすために、多くの人が使っている実証された具体的な解決策は示されていません。

創造性を鍛え、伸ばしていくためにはどうしたらいいのでしょうか?自分や組織の中にクリエイティビティを育てていくための、多くの人ですでに実証済みの具体的な方法って、世の中に存在してないのでしょうか?

2.[解決策]このビデオを見て、実践するべし

実は、その具体的方法を示し、教えてくれているビデオがあります。

それがこちら。
スタンフォード大学のデザインスクール d.schoolが公開している「デザイン的思考」の入門クラスです。


(もし日本語字幕がでない場合は右下の「caption」ボタンを押し「Japanese」を選ぶと日本語字幕を出すことができます。)

世界的に有名なデザイン会社IDEOをご存知の人は多いでしょう。今誰もが使っているパソコンのマウスをデザインしたのをはじめ、日本では無印良品の商品デザインなども行っているようです。

そのIDEO創始者の1人、デビッド・ケリーが、「自分死後も、そのデザインのノウハウを後世に伝える」ために作ったのがd.school。世界トップのデザインの専門家が会社内で培われてきた体系化された手法を惜しみなく伝えているのがこのデザインスクールです。

興味をひかれますよね。

ただ、誰もがスタンフォード大学へ行ってそのクラスを受けられるわけではありません。そこでd.schoolのスタッフはその入門クラスを世界中の誰もが受けられるように公開した、のがこのビデオです。

このビデオはワークショップ形式になっていて、ビデオ中のクラス参加者とともにインストラクションに沿って、ワークを進めていくことでそのノウハウの全体像を体感することができる、という形になっています。

このワークショップで使うプリント類もd.schoolのページからダウンロードすることができます。

(ワークショップの手順等も含め、日本語訳のものが見たい方は、一般社団法人デザイン思考研究所が日本語版を用意してくれているので、そちらをご参照ください。)

基本的に2人でペアを組んでワークを進めていく形なので、友達や会社の人などのうち、想像力を高めるということに興味のある人と一緒に受講してみるといいと思います。

時間は約1時間20分です。

3.このビデオを創造力を鍛えたい人にお勧めする理由

クリエイティブであるためには、モノやサービスを「誰のために?」という視点がとても重要です。その視点がなければ、社会にあるどんな問題も結局解決することはありません。だって、すべての「問題」は誰かが困ったりしたところからスタートしているからです。誰の役にも立たない「解決策」は絶対にありません。

ビジネスにおいても、どんな独創的でオリジナルな商品も、「誰のために?」という視点がないものはほとんど意味がありません。誰にも役立たないものならば市場価値はないからです。

ところが驚くべきことに、世の中に数多くある「創造力を鍛える方法を教えるノウハウの中」で、「誰のために?」を考えその相手にきちんと「共感」する、ということを体系化したものは、ほとんどありません。

英語の本でも日本語の本でもクリエイティビティに関する本で、「誰のために?」を考えずに、いきなり「ブレーンストーミング」をはじめましょう、というようなことを言っている本は多いです。でも、「誰のために?」という相手がいないのにアイデアを出し合っても、何の意味があるのでしょう?

このd.schoolのビデオの中で紹介されているプロセスでは、最初に「誰のために創造するのか」という相手をきちんと設定する、ということを強調しています。そしてその相手に「共感する」ということをしっかりとする、ということをしています。またそのための具体的な方法も示してくれています。

さすが、世界トップのデザイン会社です。

ここで紹介されているプロセスは、小学生でも使えるものだと思います。シンプルで誰でも使えるプロセスです。誰でも使えるほどシンプルだからこそ深みがあり、使い込めば使い込むほど味が出てきます。

非常に秀逸な内容だと思いますので、自分の創造性や、チームの創造性を伸ばしたい、と考えている方はぜひビデオをご覧になり、「スタンフォード大デザインスクールのクラス」を誰かと一緒に受講してみてください。

 

追伸:最初は字幕中心でご覧頂いた後、2回目以降は英語も確認してみてください。その方がより腹に落とした理解ができるでしょう。

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