【内容の要約】
- [現状]学校教育などで様々な矛盾
- [現代教育の問題点]「枝葉」の問題にとらわれてしまっている
- [解決案]「頭にインプット」ではなく「頭にスペースを作る」ことを考えよう
1.[現状]学校教育などで様々な矛盾
今の学校はかなり苦しい状況にあるように見えます。小学校も中学校も高校も、そしてもちろん大学もです。社会は急速に情報化が進み、知識社会へと移行しつつあります。その中で人々はたくさんの知識を短期間で身に付けて応用できるようになっていく必要に迫られています。
少し前まではひとつのスキルを身につけてしまえば、それで一生食べていくことができました。しかし今はひとつのスキルを身につけてもせいぜい10年もすれば、そのスキルは古くなり、次の新しい技能を身につけていかなければ、時代に対応しきれなくなってきています。
そんな中で学校教育の中で、生徒たちへの要求は年々高まっています。しかし、その要求に応えきれずに、さまざまなひずみが出てきてしまっている、というのが今の状況だと思います。
2.[現代教育の問題点]「枝葉」の問題にとらわれてしまっている
現代の教育システムの問題点やその原因については、様々な人が様々なことを言っています。それぞれの人たちの言うことがそれぞれに一理ある、と言った感じではあります。でも、どの意見も少し「枝葉」の部分にとらわれてしまっている感じがします。
問題を本当に解決するためには「根本」を直す必要があります。枝葉の部分だけを直しても、結局根本が解決されない限り、別の形で問題がまた出てきてしまいます。教育問題を解決するために行った「ゆとり教育」が数年で取りやめになり、また以前のような「詰め込み」の方向へ向かっているのは、どう見ても「迷走」です。これは結局、「教科書が厚いか薄いか」「教えることが多いか少ないか」というような問題は「枝葉」であり、「根本」ではないので、なかなか解決へと向かっていかない、ということだと思うのです。
3.[解決案]「頭にインプット」ではなく「頭にスペースを作る」ことを考えよう
現代の教育は頭にいかに情報をインプットするか、ということにとらわれすぎていると思います。どうやって授業をするか。どうやってもっと良い点数を取らせるか。どうやって家庭学習の時間を増やすか。どうやってもっとたくさんの単語を覚えるか。
こういうことはすべてインプットすることに関する取り組みです。
しかし「頭にインプット」するまえにもっと大切なことがあります。それは「頭にスペースを作る」ということです。現代のわれわれは毎日たくさんの情報に触れています。だからたいていいつも頭がいっぱいです。頭がいっぱいの状態なのに、そこに情報をインプットしようとしても、もうそれ以上入れられません。
これは例えて言うならば「お腹いっぱいならどんなにおいしい料理も食べられない」というのと同じです。どんなに優秀なシェフが腕をふるって料理を作ったとしても、お腹がいっぱいの人は食べることができません。優秀なシェフも満腹の人の前では無力です。
インプットのみに頭が行っている教師や学校関係者は、この無力なシェフと非常に似ています。
おいしい料理を食べてもらうには相手に「お腹をすかせてもらう」ことが必要です。一度空腹状態になってしまえば、どんな料理もおいしく食べられてしまいます。同じように頭にスペースを作ってしまえば頭に情報をインプットするのはかなり簡単にできてしまいます。
頭にスペースを作る方法、っていうのはいくつもあります。体を動かす、とか、気になっていることを誰かに聴いてもらう、とか、明確な目標を設定する、とか、BGMを流す、とか、たくさんの方法が考えられます。
これらの方法を組み合わせたり、工夫したりして、学校教育の中で「頭の中にスペースを作る」ということに取り組んだら、ずいぶん変わってくると思います。
実際にソフィー・ジ・アカデミーでは学習塾でも英会話スクールでもこの考え方に基づいた取り組みを行い、確かな成果を収めています。
興味がある方はまずはぜひ「このブログ」を読んでみてください。こちらに紹介されている英語の学習メソッドは基本的にすべてこの「頭にスペースを作る」ことを第一優先で考えて構築されています。
合い言葉は“Make Space First!”「まず頭にスペースを!」。書いてあるのは英語学習のノウハウですが、英語教育の現場はもちろん、さまざまな教育現場で応用できるのではないか、と思います。