「ソフィー」という名前の由来

「ソフィー・ジ・アカデミーという名前はどこから来ているんですか?」この質問はとてもよく聞かれます。少しこの話をしましょう。名前を決めるのには、当時英語教師として長岡に来ていて仲の良かったカナダ人のブライアンと同じくカナダ人のラヴィ、そしてカミさんと私の4人でアイデアを出し合いました。

  • 外国人でも日本人でも発音しやすい音であること
  • 中性的かやや女性的な響きであること
  • その言葉がこれから目指す方向性を示していること

名前を決める基準としては挙げたのは上の3点。この基準に合う名前を4人で一生懸命考えました。結構時間はかかりました。ハッキリとは覚えていませんが、2週間から1ヵ月はかかったんじゃないかな。

最初は、ブレーンストーミング形式で、思いつくものをいくつも出してみるところからはじめました。覚えているものをあげてみますね。「ミュウ」「美優」「美優舎」「ヌチュラ」・・・。なんか、いろいろ出てきて、結構面白かったです。

今考えてみると、かなり笑えるものもあります。「これ、選ばなくてよかったなあ」と思うものもありますね。結局、その最初に出してみたものの中からは、「これだ」というものが、どうしても見つかりませんでした。そして行き詰った感じで、しばらく時間が経過しました。

「ソフィーの世界」という小説

ソフィーの世界―哲学者からの不思議な手紙名前決めに行き詰ってしばらく経ったある時、学習塾の本棚にある一冊の本がふと目に留まりました。『ソフィーの世界』です。それは私がアメリカ留学時代、ニューヨークの紀伊国屋書店で出会った本でした。日本でベストセラーになりましたから、覚えている方もいらっしゃるでしょう。

ノルウェーの教師が子どものために書いた哲学の入門書です。ソフィーというごくふつうの少女がいろんな不思議な出来事に巻き込まれながら哲学を学んでいく、というストーリー。その世界観がすごく好きで、日本に帰ってきてからもその本は何度か読み返していました。

この本の中でソフィーという少女は、とってもイキイキとした好奇心を持って世界を眺めています。そういう知的好奇心のシンボルとして、「ソフィー」という少女の名前は、自分たちの会社の名前としていいかもしれない。そう直感的に思いました。

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哲学(フィロソフィー)という言葉

また私は哲学にずっと興味を持っていました。数学も科学も「人がよりよく生きる」ために考えられた学問ですから、結局は哲学だ、とも思っています。こういう「人がよりよく生きる」ために生まれた智恵や知識を楽しく人間らしく学べる場所。そういう場所を育てていきたい、とずっと考えていました。

ご存知のように英語で哲学は “philosophy”(フィロソフィー)「フィロ」は「好む」「愛する」というような意味で、「ソフィー」は「智恵」「知識」などを差す言葉だそうです。だから、「ソフィー」という言葉は今後の方向性を表す上でもぴったりのように思えました。このことをみんなに話したところ、とても気に入ってくれたようでした。

ただ、「ソフィー」だけでは短すぎて間が抜けた感じがするので、「ソフィー・ジ・アカデミー」という名称にすることで落ち着きました。「ソフィー・アカデミー」という「ジ」を抜かした名称も最後まで候補にあったのですが、なんとなくリズムがいい感じがしたので、「ジ」を入れたものにしました。

こうして新しい名前が決まりました。この名前をいっしょに決めたブライアンとラヴィはすでに長岡を離れ、二人ともカナダに住んでいます。今では年に数回、メールをやり取りする程度ですが、ソフィーの名前の由来を聞かれるたびに、名前を考えながら、ソフィーの未来や可能性について熱く語り合ったときを、昨日のことのように思い出します。

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