英語ができるようになるためには、英語に触れ続けることが必要です。しかし、そのためのやる気を維持していくのは大変なことです。ここでは、ソフィーでおすすめしている英語学習のやる気を出すための方法をいくつか紹介します。まずは気に入ったものを1つ選んで試してみてください。
1.[問題]英語の勉強は続けるのが難しい
英語を身につけるカギは何と言っても「継続」です。英語圏に住んでいれば、毎日英語に触れ続けることができますから、数年単位で英語は身に付いていくでしょう。
ただ、日本に住んでいる私たちはそうはいきません。いかに工夫して英語に触れ続けるか、ということがひとつの大きな問題です。毎日勉強することは大変なことです。学校の授業が終わってから、とか、会社の仕事が終わってから、改めて「勉強」するのは、数日や数ヶ月は続けられても、何年も継続するのは容易ではありません。
2.[解決策]「頭にスペース」を作ってから勉強すると続けやすい
私たちは毎日の仕事や学校の授業や日常生活の中で、すでにいろいろな情報に触れているので頭の中はいっぱいになっています。その状態でさらに「英語の勉強」をし、情報を頭にインプットしようとするから、嫌になってしまいます。だから継続できません。
これは例えるなら「お腹がいっぱいなのに、もっと食べようとしている」ような行為です。せっかくおいしい料理もまったくおいしくなくなってしまいますし、食べること自体苦痛になってしまいます。苦痛なことはなかなか続けることができません。
じゃあ、どうしたらいいのでしょう?
答えはシンプル。
お腹をすかせてあげればいいのです。
お腹がすけばおいしい料理はもっとおいしく食べることができます。
英語の勉強に関して言うと、つまり頭の中にある情報を一旦外に出してあげる等をして、「頭の中にスペースを作る」ということを最初にしてするのです。頭にスペースがあれば、英単語とか、どんどん頭にインプットしやすくなるのです。そしてそれは自然で楽しい行為なので、無理なく継続しやすいのです。
3.「頭にスペース」を作る22の方法
「頭にスペース」をつくる方法は大きく分けて「(1)頭の中にあるものを外に出す方法」と「(2)頭の中のスペースを広げる方法」の2つがあります。どちらも好みや状況に合わせて組み合わせると効果を最大化することができるようになります。
具体的な方法はたくさんあるのですが、とりあえず英語の勉強に使えそうなものを次に列挙してみます。
【方法1】細切れにやる
一気に2時間も3時間も続けて勉強するのはストレスになりやすいものです。そこでひとつひとつの塊を小さいステップに分けてあげます。10分とか20分程度を1ステップに区切り、ステップが終わるごとに小さな休憩を入れるのです。このプロセスをすると小さな労力でたくさんの仕事や勉強ができてしまいます。
ソフィーではこの効果を、「小さいお椀だとたくさん食べられてしまうわんこそばのようだ」というイメージから「わんこそば効果」と呼び、活用しています。
【方法2】体を動かす
体を動かすことが脳を活性化することは最近の研究ではよく知られています。
「わんこそば」の合間にちょっと掃除をしたり、軽い散歩を入れたり、郵便物を出しにいったり、ということは非常に効果的です。
【方法3】場所を移動する
同じ場所でずっと勉強を続けるのではなく、1時間ごととかに場所を移動する、というのも気分転換ができるので頭にスペースを作るのに有効です。移動するということは体を動かすことですから、それも効くのでしょう。同じ家の中でも時間を区切って「机→ベッド→リビング→ダイニング」などと移動する、ということもいいかもしれません。
【方法4】カフェに行く
カフェだと勉強に集中できる、という人は多いでしょう。私もカフェで洋書を読んだりするのは大好きです。休日などは好きなカフェをはしごしながら勉強する、というのはいい手ですよね。
もしカフェに行けなくても、自宅をカフェっぽくするためにカフェ風のBGMを流してくれるサービス『コフィティヴィティ(コーヒー+クエイティビティの造語、だと思います) 』を使ってみるのもいいかもしれません。
【方法5】おいしいコーヒーを飲む
コーヒーを飲むことが、眠気を覚ましてくれたり、集中力を高めてくれたりするのは、多くの人が知っているでしょう。ところが最近の研究では、コーヒーは実際に「記憶力を高めてくれる効果がある」という研究成果も現れました。米ジョンス・ホプキンス大の研究者たちの話を聞いてみましょう。(1分58秒:英語)
詳しい記事はこちら(英語)
Caffeine has positive effect on memory, Johns Hopkins researchers say
このことを考えると英語の勉強の前や合間にコーヒーを飲むのは極めて理にかなった行為な訳です。ぜひおいしいコーヒーを楽しみながら英語を楽しみましょう。
ちなみにソフィーでクラス中に生徒にお出ししているコーヒーはこちらで焙煎してもらったものです。→さかもとコーヒー
【方法6】BGMをかける
好みの音楽をかけることで、気分が和んだり、リラックスできたりして頭にスペースが作りやすくなります。ソフィーでお勧めしているBGMをいくつかこちらで紹介していますので、参考にしてみてください。
【方法7】全体像をつかむ
英語を読むときも、聞くときも、最初から細かいところを完璧に理解しようとせず、「全体像をつかむ」ということに意識を向けます。全体像が少しでもわかると、全体像の間に「スペース」ができるので、自然により細かいところへ意識が向かうようになります。
全体像をつかむための取り組みとして、おススメなのは「マインドマップ」というスタイルのノート取りをしてみることです。洋書など、とりあえず目次をマインドマップ化するだけでも結構全体像がつかめてしまったりします。マインドマップの書き方がよくわからない人は次のページを参照してみてください。英語のページですが、写真付きでわかりやすくまとめられているので、挑戦してみるといいと思います。
【方法8】寝る
頭がいっぱいのときには、寝るのが一番。ちょっとした昼寝でも寝ている間に脳は情報整理をしてくれているようなので、頭にスペースができてきます。覚えたいことを頭にインプットしておき、疲れてきたらすぐ横になってちょっとお昼寝し、起きたらまた少しインプットする、という「わんこそば効果」との組み合わせは、効果的です。
【方法9】良いガジェットを使う
お気に入りのボールペンとかノートとか、勉強道具を運ぶかっこいいバッグとか、そういうちょっとしたガジェットは私たちの気分を良くしてくれます。気分が良くなると頭にスペースはできやすくなります。
文房具屋さんを探索したりして、自分にあった勉強用の小物や道具を集めていきましょう。
ガジェットに関する記事はこちら。英語学習のやる気を刺激してくれる「ガジェット」6選
【方法10】興味のある教材を選ぶ
TOEICの問題集とか英検の問題集とかで勉強するのはなるべくやめた方がいいと思います。内容が無機的で興味が持てないものに触れることは、時として有害ですらあります。興味のある洋書を選ぶとか、好きな海外スポーツ選手の情報を英語で集めてみるとか、大好きなアメリカのドラマをネットで見てみるとか、そういう感じで、「好き」と思える内容の英語に触れることで、頭の中のスペースはできやすくなります。
そのあたりのことは、この記事の中でも書いてありますので、より詳しくはお読みください。
『洋書多読勉強法の注意点:どの洋書を多読に選んだらいいのか?』
【方法11】不安や心配事を自分の外に出す
仕事やプライベートで不安なことや心配事などがあると、人の頭はそのことでいっぱいになってしまいます。勉強するときは、その心配事を一旦頭の外に出してしまいましょう。一番手っ取り早いのは、「心配事をノートや紙などに書き出す」ということです。紙の上に書き出すことで、一旦頭の中から外に出すことができますし、外に出したものを客観的に見ることもでき、冷静になれます。
もし可能なら誰かにその心配事を聞いてもらうのもすごくいい方法です。変なアドバイスとかはいらないので、とにかく全部ウンウンと聞いてくれそうな人を選びます。一通り聞いてもらえるとすっきりして、頭の中にスペースができてきます。
【方法12】自然に触れる
自然に触れると体がリラックスし、頭の中にスペースができやすくなります。「わんこそば効果」で勉強の合間に近くの公園に散歩する、などというのはいいアイデアです。
自宅の中でも自然に触れられるように観葉植物を置いておくのもいいでしょう。
観葉植物の効用についての記事はこちらが参考になるかもしれません。
また、部屋の中で熱帯魚を飼うのもいい方法だと思います。
↑ソフィー長岡校に置いてある水槽
【方法13】瞑想する
「わんこそば効果」を使う際に、勉強の合間合間に10分くらいの瞑想を入れるのも良い方法でしょう。瞑想っていうと難しいものに感じるかもしれませんが、座って目を閉じて息をスーハースーハーすればいいだけです。気持ちがよければそれでOKです。
【方法14】良い仲間に刺激を受ける
良い仲間は良い刺激を与えてくれるので頭にスペースができます。お互いを高め合えるような仲間と定期的に合えるような場を持てたら最高でしょう。
【方法15】ニュースを見ない
テレビや新聞のニュースを意図的に「見ないようにする」ことも、良い方法だと思います。
ニュースって基本的に「悪いニュース」が中心なので、見過ぎると頭の中の心配事を増やしてしまい頭のスペースを食ってしまいます。一説によると一般的なニュースは「悪いニュース」が95%を占めているそうで、アメリカのITベンチャーBufferの創業者もニュースを意図的に見ないようにしているそうです。
The Power of Ignoring Mainstream News
【方法16】学んだ内容を誰かに教える
特にソフィーでお勧めしている洋書を使って英語を学んでいく方法を続けるときにお勧めしているのがこれ。洋書で学んだ内容をできるだけ早く誰かに教えてあげる、というやり方です。インプットした知識を頭の中にとどめておくだけでなく、誰かにアウトプットすることで頭の中のスペースが自然にできてしまいます。
【方法17】背景知識をつける
これも洋書を使って英語力を上げていくときにおススメの方法。選んだ洋書に関する情報をとりあえず日本語でいろいろと集める、という方法です。たとえば経済学の洋書を選んだのなら、経済の入門的な本を3冊とか5冊とかバーッと読んでしまいます。すると経済に対する背景知識が多少なりともでき、洋書の内容に対する興味が強くなるので、頭の中にスペースができてきます。
【方法18】加点法で評価する
通常私たちが慣れ親しんでいる「減点法」で評価し学習を進めるやり方は、勉強のモチベーションを下げてしまいます。ですからソフィーではその反対の「加点法」で評価していく学習法を強くお勧めしています。
これについて詳しくはこちらで説明していますので読んでみてください。
【方法19】学んだ内容を行動に移す
これも洋書を使って英語を身につけていくときに特におススメの方法です。ハウツー本系の洋書を読み、そこから学んだ内容をすぐに行動に移す、という方法です。行動することで、当然体を動かすので、「【方法2】体を動かす」の原則が働くのと同時に、実際に知識を試して経験してみることで「エピソード記憶」が生まれるので、記憶が定着しやすくなります。
これについて詳しくはこちらに書いてありますので、ぜひお読みください。
英単語の究極の覚え方:これまでどんな方法もうまく行かなかった方へ
【方法20】記録する
学習した内容を記録する、というのも良い方法です。しばらくして記録を振り返ったときに自分の進歩を確認できるので、「【方法18】加点法で評価する」を上手に行っていくことができます。
スマートフォンのアプリやクラウドのサービスなどで、仕事や勉強の記録を取っていくサービスいろいろありますので、好みのものを調べて選んで使っていくといいでしょう。
最近私が個人的に気に入って使っているのは次の“1 second every day”というアプリ。
これは毎日1秒だけビデオに記録を残していく、というもので、1年間継続すると365秒=約6分間のビデオが出来上がります。
詳しくはこのプロモーションビデオをご覧ください。
【方法21】目標を明確にする
「なぜ英語を勉強するのか」ということを明確にすることは頭にスペースを作るのに役立ちます。目標に意識が行くことで、意識が自分の外へ出て行くようになり、頭の中にスペースができやすくなるのです。
これを明確にするのは時間がかかるかもしれません。でも、それについて考えてみたり、誰かと話し合ってみたりするだけでも役に立ちます。
【方法22】感動する
感動できる英語に触れましょう。感動すると頭の中のスペースは一気に広がります。人それぞれ感動するものは違ういますが、ひとつ多くの人が感動するキング牧師の”I Have a Dream”スピーチビデオをあげておきます。
このスピーチの存在は誰もが知っているでしょうが、実際にスピーチを聴いたことがない人もいると思うので、ぜひ一度聴いてみてください。内容はわからなくても大丈夫。特に13分過ぎからのキング牧師の気合いとエネルギーを感じてみましょう。
こういう動画がネットで気軽に見れるようになったことは、本当にすごいことです。関連動画でいくつも面白いものが出てきますので、興味があればどんどん見てみてください。
以上、頭にスペースを作って勉強をし、継続して英語学習をしやすくするための方法を22個紹介しました。まずは1つ気に入ったものからぜひ試してみてください。