先日女性起業家の生田早智江さんがソフィーのクラスにゲスト参加してくださった時のインタビュー記事です。たった1回のiClass参加でソフィーの本質を見事に捉えてくださっています。これを読むとソフィーのクラスのいろいろな隠れた意味がわかると思います。
【内容の要約】
- 生田早智江さんについて
- 生田さんのクラスゲスト参加が終わっての全体の感想
- ソフィーメソッドおよびクラスの仕組みについて
- 生徒たちの自然な英語力に驚いた
- このやり方なら数ヶ月後にはきっと目覚ましい変化が起こると思います
- 最後に
1.生田早智江さんについて
先日6月25日(水)にソフィー・ジ・アカデミーのiClassに女性社会起業家の生田早智江さんがゲストとして参加してくださいました。
生田さんは「One & Only」という人材教育事業の代表を務める傍ら、「ハタモク」という「働く目的や意義」について学生&社会人で語り合う場を提供するNPO団体の運営にも関わっており、「自分の軸を作ることをサポートする」ことをテーマに活動をしておられます。
中学高校とハワイで過ごし英語堪能な生田さんはソフィーで大切にしている「英語を『道具』として使いながら生きる」ことをしている生きた実例であり、きっとソフィーの生徒たちに刺激になるだろう、と考えゲスト参加をオファーし、先日参加が実現したのです。
クラスが終わってからソフィーのクラスの感想について恵比寿校教室長の渡辺絵梨が行ったインタビューを以下に掲載します。
2.生田さんのクラスゲスト参加が終わっての全体の感想
渡辺絵梨(以下、渡):クラスに参加してみてどうでしたか?
生田早智江さん(以下、生):1クラス2時間なんで、長いのかなー?と参加する前は思っていたのですが、終わってみたら2時間本当にあっという間でした。楽しかった。
渡:クラス全体を振り返って、印象に残っていることは何ですか?
生:生徒のみなさんが、無意識なんだと思いますが、クラスに来る前に自然になんらかの目的を持ってここへ来れている感じがしました。だから、英語の本を読んでいく中で、必要な言葉とか情報がポンッと頭の中に入ってくるだなあ、と感じました。
渡:なるほど。
生:そしてそういう生徒さんたちが集まって相互作用を起こしているので、高いシナジー効果が出て、一人で学習しているときには絶対に出ない効果が出ているんだな、とも感じました。
渡:そこを感じてもらえたのはうれしいです。
3.ソフィーメソッドおよびクラスの仕組みについて
生:私は個人的には特に印象に残っているのは、このクラス全体を運営していくベースとなっている「ソフィー・メソッド」というものです。この内容が壁に張り出されていますが、クラスの前に読んで、すっごく共感しました。「まさにそうだよね〜」という感じです。
渡:そうですか。ありがとうございます。
生:特に9番目の”Learning for Others”はいいですよね。誰かのために学ぶっていうことによって人の能力は高まりやすくなると思いますし、何よりここのクラスの他の人のために学ぶ、っていう姿勢がこのクラスの中のシナジー効果にもつながっていると思います。自分の学びを他人にも伝えることで、他の人に貢献し、学びを促進し、その促進された学びが自分にもかえってくる、という仕組みは、ふつうの教育のシステムにはなかった発想だと思います。すっばらしいなあ、と思いました。感動しちゃいました。
渡:ありがとうございます。
生:自分がたまたま興味を持って読んでいた洋書の一部分が、ある生徒が今日のクラスで読んでいる部分だった、というような不思議なシンクロみたいなのもあって興奮しました。
渡:そういうことってなぜかソフィーのクラスの中ではよく起こるんですよね。
生:あと、クラスの構成がよく考えられていて、読む部分と読んだ内容のシェアする部分の時間配分とかが絶妙でした。
渡:そうですか!
生:うん。自然なんだけど、とてもシステマチックで、メリハリが合って、よくできている仕組みだな、と感心しました。クラスに参加していて、気持ちよかったです。
渡:わー、ありがとうございます。
生:あと、BGMもいい感じでした。これ、クラスの最初と途中とで曲、変えてますよね?
渡:はい。洋書を読んでいくときと、シェアするときでは曲を変えていますし、その日のクラスの雰囲気によっても曲を変えてます。たとえば「ちょっと仕事でみなさんお疲れだなー」という時には、体が休まるような曲調のものを最初選んでおいて、クラスの途中で疲れがとれてきたような感じだったら、内容をシェアするときには少しアップテンポな曲に変えてみたり、とか。
生:そうですよね。それがすごく良かったです。
渡:そこに気づいてくれる人はほとんどいないです。生田さん、すごいですね。
4.生徒たちの自然な英語力に驚いた
渡:生徒たちの英語力ということに関しては何か感じられたところがありますか?
生:最初にも少し言ったんですけど、「目的を持って読む」ということが自然にできているので、たくさんの英語の情報の中から自分に必要な部分だけが「ポンッ」と頭の中に飛び込んでくるんだろうな、というのを感じました。これって、日本語の本を読むときも同じで、目的を持って読まないとなんにも頭には入ってこないし、目的もって読むと短い時間でも必要なことが頭に勝手に入ってくるじゃないですか。それが英語でできているのは、みんなすばらしいと思いました。
渡:うんうん。
生:そもそもソフィーでは自分の好きな洋書をテキストとして選べる、というところから始まっているので、その「興味を持った内容のものを読む」ということが、その「目的感」にもつながっているのかな、と思いました。
渡:なるほど。
生:あと、クラスの最後の全体シェアのときに、Sさんが読んだ洋書について話したところがありましたよね。
渡:はい。
生:そこで、渡辺さんが、その内容について質問しましたよね?
渡:ええ。
生:その時に、Sさんが、洋書を開いてその質問の答えにあたる部分を「それはこういうことです。」と洋書を見ながら、日本語で説明しましたよね。あれって、英語を見ながらあれだけ一瞬で頭の中で翻訳しながら説明している、っていうことなので、ものすごいことだと思ったんです。
渡:ああ、確かに。
生:普通の人は、「英語を理解する」→「翻訳する」→「説明する」っていう順番でやるから、あれだけ数行に及ぶ内容を噛み砕いて説明しようと思ったら、少なくとも数分かかるんじゃないかと思うんですが、それを一瞬で、しかも苦もなくやっていた。あれ、本人は当たり前だと思っているかもしれませんが、相当すごいことですよ。
渡:ああ、そうですね。私もクラスの中で生徒たちはそういうことを普通にやるので、当たり前のことだと思っていましたが、生田さんに言われて今気づきました。たしかに、すごいことですね。(笑)
生:(笑)すごいですよ。「わー、すごいなー!」と思いました。あんなスラスラできないです、普通。
渡:そうかー。そうですね。
生:あれは、「英語」っていうのが自分の外にある、何か「勉強」の対象ではなくて、自分の中にある「コミュニケーションのツール」として存在しているからできることなんですよね。
渡:そうですね。「道具として使おう」ということはソフィーの基本的なコンセプトです。
生:ソフィーのクラスの中で自然にツールとして英語を使うことができているので、生徒たちにそれが起こっているんだなあ、と思いました。ソフィーのやり方はすごく自然で理にかなったやり方だな、と思いました。
渡:ふむふむ。
5.このやり方なら数ヶ月後にはきっと目覚ましい変化が起こると思います
生:あと、もうひとつ驚いたんですが、クラス途中にお互いに読んだ洋書の内容を3人1組くらいでシェアするじゃないですか。
渡:はい。
生:生徒たちはそれぞれ自分の興味にそって別々の本を読んでいるし、入学時期も違うので、ある人が選んで今読んでいる洋書を、別の生徒は何ヶ月か前にすでに読んでいたりするでしょ?
渡:ええ、します。
生:で、ある生徒が「このあたりを読んでいるんですけど、この部分がよくわからなかったんですよね・・・」とシェアしたら、その本を数ヶ月前に読んだ別の生徒が「ああ、それはね、私も最初わからなかったんだけど、実はこれこれこうで、こういったことを書いてあるんだよ」と説明し始めたんです。これって、すごいことですよ!
渡:そうですか?
生:だって、日本語の本だって、数ヶ月前に読んだ本の中のどの部分に何が書いてあったかなんて、覚えていないじゃないですか。それを英語の本の中のちょっとした一部分に関して聞かれて、パッと思い出して、その本を見もせずに思い出しながらスラスラと説明できる、なんて、できないですよ。普通。
渡:確かに。日本語の本だって、数ヶ月前に読んだ本について「どんな本だった?」って聞かれても、「んー、良かった」とかくらいしか言えなかったりしますもんね。
生:英語の本でこれができているって、その人ごく自然にやっていたからそんなにすごいことだと思ってやっていないと思うけど、相当すごいことですよ。
渡:そうですね。私もここではふつうに起こることなので、当たり前と思っていました。生徒にもっとそのあたりをフィードバックしてあげなきゃですね。
生:これはやっぱり読んだものをすぐ目の前の人に共有しているから、というところと、その内容を読むだけで終わらずに行動している、というところも大きいでしょうね。
渡:「エピソード記憶」になっているわけですね。
生:そうそうそうそう。そしてそうやってエピソード記憶化されているものっていう英単語とかっていうのは、他の場面で出会ったときにも自然に記憶としてよみがえってくるので、これが蓄積されるとどんどん読めたり、聞けたり、話せたり、していくと思います。だからこれをやっていくと、おそらく何冊目かのときには、きっと目覚ましい変化がその人の中に出てる、と思います。
6.最後に
渡:私もふだん当たり前になってしまっていた部分もあるので、生田さんに言っていただいて新鮮な気付きがありました。
生:私も本当にクラスを楽しめました。クラス前に渡辺さんに「楽しんでくださいね」って言われていましたが、メチャクチャ楽しんじゃいました。久々です。ここまで楽しんだの。
渡:ああ、良かったです。今日は本当にありがとうございました。
生:こちらこそ、ありがとうございました。いつでもソフィーにまた呼んでください!
生田さんのエネルギーを受けて、クラス中生徒たちはいつもよりもさらにうれしそうでした。そしてなにより生田さんの「聞く力」がすばらしいな、と感じました。その聞く力によって生徒たちの良いところがグイグイと引き出されていく、という印象でした。
生田さんは自ら代表を務める「One & Only」を中心に様々な活動を続けておられます。ワークショップやハワイでの「リトリート」なども随時開催していらっしゃいますので、興味がある方はOne & Onlyホームページをチェックしてみてください。